EY Ripplesは、数千人のEYのメンバーが持つスキルと経験を結集して、2030年までに10億人の人々の生活を向上させるという長期的な目標を掲げています。
第1章: 次世代を担う人材への支援
将来、仕事で成功するためのマインドセットとスキルを身につける
新型コロナウイルス感染症による教育システムの混乱に伴い、次世代への支援がこれまで以上に重要になってきています。私たちの主要な目標はこれまでと同様、行政サービスが行き届いていない若者が将来、仕事に適応し、成功するために必要となるマインドセットとスキルを身につけられるよう支援することです。一方で今年は、特にオンライン学習の拡大を重視してきました。
2020年の実施内容は以下の通りです。
- 環境リテラシー、最新テクノロジー、金融リテラシー、アントレプレナーシップなどの話題を網羅したEY Future Skillsワークショップを10カ国・約5,000⼈の学⽣に対⾯およびオンラインで提供。
- イタリアのジュニア・アチーブメント(以下「JA」)の学生に対し、テクノロジースキルに関するオンラインワークショップを実施。また、若者が自宅からアクセスできる金融リテラシー、働く準備、アントレプレナーシップに関する一連の無料のデジタルプログラム(英語版のみ)を開発する、JA Central Ontarioを支援。
- 「100 mentors」(英語版のみ)と新たにコラボレーションを開始。これは、EYのメンターがモバイルアプリを通じて、経済学、企業経営、将来の仕事について学生から来た質問への回答をそれぞれ100秒にまとめたビデオを提供し、学生の学習意欲を高めるものです。
- 南アフリカで、EYのリーダー層の報酬を減額。それを、EY NextGenで学ぶ若者が学習から脱落しないよう、ノートパソコンの購入費や数学、会計、科学、英語の授業料を支援する費用に充てました。
Toilet Board Coalitionとの共同報告 Make way for the future of sanitation(PDF、英語版のみ)で取り上げているように、3Sは、古い市営バスを改造して、トイレ、シャワー室、おむつ交換台、生理用ナプキンの自動販売機を完備した衛生設備キオスクとして再利用しています。この設備により、インド西部の都市プネーで暮らす低所得層の女性も、安全で清潔な公衆衛生のある環境を身近に感じることができます。撮影:3S
第2章: 社会的影響力のある起業家との協働
目的に合わせたスキル、開発、コーチング
社会的影響力のある起業家は、コミュニティに不可欠なサービスを提供します。EYは今年も引き続き社会的影響力のある起業家と協働し、企業のレジリエンスや継続性、市場の変化、資金管理およびリスクマネジメントといった課題への取り組み、あるいは目的に合わせたスキル開発やコーチングなどの幅広いサポートを提供しています。
今年は、必要に応じてオンラインによるサポートを行い、これらの社会的影響力のある企業がパンデミックを乗り越えるだけでなく、より力強い成長を支援するために設計されたデジタルツールへのアクセス向上に取り組みました。2020年の実施内容は以下の通りです。
- バングラデシュの薬局をデジタルでつなぎ、研修、テクノロジー、製品、サービスと接続することで、新型コロナウイルス感染症への対応において中心的な役割を果たした社会的影響力のある企業Jeeon社の財務モデリングおよび事業計画をサポート。
- オーストラリアで行われた、Social Impact Hub社の「Scaling impact」アクセラレータプログラムにおいて、アントレプレナーに向けたEYが提唱する7つの成⻑のドライバー「EY 7 Drivers of Growth」に関するグループおよび1対1のオンラインセッションを提供。
- 廃棄物を安全に収集・処理し、価値のある資源に変えるという、数十億ドルの汚水処理経済の開発を促進する革新的なビジネスモデルの可能性について、Toilet Board Coalitionと共同研究論文を公表。
- EY Finance Navigator(英語版のみ)ツールを小規模な成長企業に無償で提供し、財務およびキャッシュフローの改善を支援。
- プラットフォームでのユニリーバ社および英国国際開発省とのコラボレーションである「TRANSFORM “Survive and Thrive”」を含め、COVID-19 エンタープライズ・レジリエンスをサポートするためのソフトウエアツールを開発・共有。
第3章: 持続可能な環境の早期実現への取り組み
環境の保護および再生
EY独自の持続可能性の取り組みに加えて、私たちはEY Ripplesを通じて新たな方法を構築し続け、EYのメンバーがより持続可能な選択をし、環境の保護・再生だけではなく、差し引きでプラスとなる循環型経済に内在する経済的機会の開放につながるプロジェクトにスキルと知識を向けられるように取り組んでいます。2020年の実施内容は以下の通りです。
- 国際環境NGO、Earthwatchへバーチャルで人員を派遣し、財務およびキャッシュフロー予測、人事戦略および計画を中心にサポート。これらのプロジェクトは、Earthwatchのレジリエンスの向上に役立ちました。業務や収入面での混乱を乗り越え、さらにパンデミックから力強く回復するための準備も支援しています。
- トルコの難民キャンプが冬に備えるために、「Polyfloss」技術を使った革新的なアプローチを最適化するEngineers Without Borders (ノルウェー)を支援。難民は、サーモプラスチックの廃棄物から自分たちで保温材を生産できるため、寒さの厳しい冬、生産的な雇用機会の欠如、プラスチック廃棄物の多い生活環境という「3つの脅威」に対処することができます。
- 気候危機に取り組むためのアイデアや優れた実践例を共有するためのEYのメンバーによる草の根ネットワーク、「エコイノベーター」ネットワークを引き続き拡大。定期的なイベントを実施して、持続可能な生活のための実用的な情報をEYのメンバーに提供して、教育し、啓発しています。
- 気候変動と持続可能性に関するEY Badgeの立ち上げ。気候危機、気候変動がEYクライアントやセクターに及ぼす影響や個別・集団の行動が生み出す違いについて、EYのメンバーの理解を深めます。
第4章: 10億人の人々の生活を向上させる
EYが及ぼす影響を測定
2019年、EYは、2025年までに2億5,000万⼈、2030年までに10億⼈の⼈々の⽣活を向上させるという意欲的な目標を掲げました。その目標に沿って、また、目標への進捗状況を確実に測定するため、社会的影響力のある取り組みの測定方法を、投入量ベースから成果ベースへ移行しています。
今後も、コミュニティでのボランティア活動に投入した時間や貢献の金銭的価値など、コミュニティへの投資関連の数値を報告しますが、これらの数値は、取り組みが生み出す影響を示すものではありません。このため、私たちは1年かけて策定した厳密な手法に基づいて、「影響を及ぼした生活」について報告しています。
「影響を及ぼした生活」の数値は、EY Ripplesのイニシアチブから直接的・間接的に恩恵を受けた人(例えば、社会的影響力のある企業のリーダーおよび彼らがサービスを提供する顧客の両方)の評価を網羅しており、EYのサポートによって生じた影響の広さと深さに応じて加重されます。各イニシアチブの影響は、最終的に及ぼした影響に基づき、もっとも関連するSDGsの項目にもマッピングされます。
EYは、社会的影響力のある取り組みを通じて社会的影響力のある起業家と協働し、次世代をサポートしています。このプログラムの開始以来、2020年度の1,500万人以上を含め、3,400万を超える人々の生活を向上させてきました。
私たちの目標を達成するには、公共、民間、非営利セクター全体での大規模なイノベーションとコラボレーションが必要です。2025年と2030年の目標を達成するにはまだ長い道のりがありますが、私たちは短期間で力強く前進しており、これらの数値は、順調に進んでいることを示しています。
SDGsの項目 |
影響を及ぼした生活 |
SDG 8:働きがいも経済成長も |
8,998,329 |
SDG5:ジェンダー平等を実現しよう |
1,649,507 |
SDG 7:エネルギーをみんなにそしてクリーンに |
1,594,374 |
SDG 17: パートナーシップで目標を達成しよう |
1,146,688 |
SDG1:貧困をなくそう |
779,617 |
その他 |
1,350,942 |
合計 |
15,519,458 |
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サマリー
EYの企業責任(CR)プログラムであるEY Ripplesは、数千人のEYのメンバーが持つスキルと経験を結集して、2030年までに10億人の人々の生活を向上させるという長期的な目標を掲げています。