EYは2021年1月にCO2削減への取り組みに着手しました。スコープ1、スコープ2、スコープ3の温室効果ガス絶対排出量を(基準年の2019年度から)40%削減し、2025年にネットゼロを実現させることを目指しています。これは、SBTiから承認を受けた1.5°C⽬標に沿ったものです1 。またこの⽬標は気候科学の観点からも、地球の気温上昇を1.5℃に抑えるというパリ協定の⽬標の達成に必要とされています。
EYは2021年度に、世界全体でカーボンネガティブを実現するという⼤きなマイルストーンを達成しました。カーボンネガティブの実現とは排出量を上回る量のCO2を相殺または除去することを意味します。2022年度もカーボンネガティブを実現し、2025年のネットゼロ達成に向け引き続き順調に取り組みを進めていることを誇りに思います。
EYではどのように温室効果ガスの排出量を削減し、カーボンネガティブを維持しているか
2022年度にEYが排出した温室効果ガスは合計で⼆酸化炭素に換算して59万7千CO2換算トン(tCO2e)でした。基準年である2019年度の135万4千CO2換算トン(tCO2e)から56%削減できたことになります。⼀⽅、スコープ3の出張によるCO2排出量とスコープ2のオフィス電⼒消費量が激減した2021年度と⽐べると53%の増加です。ただ、2022年度にはEYの事業の多くが通常業務を再開しており増加は想定内のことです。EYの1.5°C⽬標にもコロナ禍後の温室効果ガスの排出量増加を織り込んでいます。
まだ削減できていない排出量を相殺するため、EYでは有数のプロジェクト開発企業やグローバルな気候変動ソリューションプロバイダーと共同で引き続きCO2オフセット・ポートフォリオに投資をしています。これらのプロジェクトで相殺したCO2排出量は合計72万3千CO2換算トン(tCO2e)です。これは2022年度にEYが排出した量の121%に相当し、2022年度も確実にカーボンネガティブを実現できます。いずれのプロジェクトも相殺の質についてEYが定めた基準を満たしています。また独⽴した検証を受け、追加性と永続性があり、別の⽬的では使⽤されずリーケージにもつながらない、かつコミュニティにプラスの効果をもたらすことはその実績から明らかです。
多くのクライアントと同様、⾃社の排出量をより正確に把握する⼀助としてEYでは新たなテクノロジーを導⼊しています。Enablonを導⼊したことでスコープ1とスコープ2の排出量をより正確に把握できるようになりました。対象となるデータポイントはEYネットワーク全体にある約650カ所のオフィスのエネルギー使⽤量、⽔消費量、燃料データなどです。
スコープ3の排出量についても出張の予約や航空機、鉄道、⾃動⾞関連の⽀出額を分析して引き続き詳細に把握しています。卓越したクライアントサービスを提供し、市場で優位を保ち、EYのチーム全体で連携し、EYの企業⽂化を強化する上で、出張は⽋かせません。⼀⽅、2025年のネットゼロ実現という⽬標達成に向け引き続き取り組むことができるよう、環境に配慮し、熟慮した上で出張をする必要があることも認識しています。2023年度の⾶⾏機での移動に伴うCO2排出限度は、2022年度の限度から6%引き下げました。この限度を確実に守るためには、排出量の削減と、クライアント対応などの活動で必要となる出張とのバランスを取ることが2023年度以降の課題となるでしょう。
2025年のネットゼロ実現に向けた7項目のCO2削減アクションプランの進捗状況
2025年にネットゼロを実現するため今後も7項⽬のCO2削減アクションプランの実⾏に努め、今まで以上に持続可能な組織づくりに取り組みます。2022年度は1年を通して、主要となる各アクションで⼤きな実績を上げることができました。