第1章:次なる困難を乗り越えるための人材育成
ますます多様化するキャリアパスに対応した研修とサポートを提供
EYは2020年度、パンデミックの発生前に、最先端の学習プラットフォームのグローバル展開を完了し、オンライン講習の提供を急速に増やす体制を整えました。
パンデミックの期間中、EYのメンバーが在宅勤務と並行してスキルアップに努めたことにより、総学習時間に占めるオンライン学習の割合は、2019年度の31%から2020年度には55%へと増加しています。EYは2020年度に4億5,000万ドル以上の資金をフォーマル・ラーニングに投じました。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で年半ばに研修が中止されたことで出張費が縮小したため、支出額は2019年度に比べて減少したものの、提供した講習は1,600万時間を超えました。
また本年は、ハルト・インターナショナル・ビジネススクールによるEY Tech MBAもスタートしました。同ビジネススクールと共同で立ち上げたEY Tech MBAは、EY待望の意欲的な学習プログラムです。配信対象は150カ国で働く約30万人のEYのメンバー全員です。EYは、完全なオンラインMBAプログラムの無料提供を初めて実現した組織となります。
同ビジネススクールと共同で立ち上げたEY Tech MBAは、EY待望の意欲的な学習プログラムです。配信対象は150カ国で働く約30万人のEYのメンバー全員です。EYは、完全なオンラインMBAプログラムの無料提供を初めて実現した組織となります。
本MBAはEY Badgeプログラムを基盤とし、EYのメンバーに将来を見据えたスキルを提供するものです。EY Badgeの研修テーマは、テクノロジー、サステナビリティ、リーダーシップなど多岐にわたり、現在は100種類を超えています。
EYのメンバーが獲得したBadgeはすでに7万個を超え、現在受講中のプログラムは10万件を上回ります。最も人気があるのはデータ可視化とデジタルのプログラムです。
急速に変化する現在の世界では、リーダーシップの考え方も急速に変わりつつあります。そのためEYは、EYの目的と価値観、そして今世界が求めているリーダーシップ行動をまとめた、新しいTransformative Leadership(変革的リーダーシップ)モデルも策定しました。このモデルの目的は、EYで働く一人一人がクライアントと社会のために「より良い自分」、「より良い私たち」、そしてより良い社会を構築することにあります。
また、EYでは「マルチトラック」なキャリアパスの提供にも注力しています。ますます多様化するキャリア形成を支援し、一人一人のEYのメンバーに対してそれぞれに合ったキャリアの構築とさらなる前進に役立つような経験の積極的な探求をサポートしています。
世界が前例のない変化にさらされる中、EYのメンバーにとってこれまで以上に重要なのは、学ぶことを中断しないということです。実際のところ、クライアントのイノベーション能力は、そこにかかっていると言えるでしょう。
第2章:人材獲得と勧誘のオンライン化
インターンはオンライン活動と対面による活動のいずれの機会にも対応
EYの今年度の人材獲得と勧誘および新人研修活動(面接、キャリアフェア、採用イベントなど)は、ほぼ一夜にしてオンラインに転換し、採用ニーズを支え続けています。
2020年度は、約200万人の応募者から、7万6,000人以上のクライアントサービスに従事する人材が採用され、新たにEYファミリーに仲間入りしました。
2020年度は、約200万人の応募者から、7万6,000人以上のクライアントサービスに従事する人材が採用され、新たにEYファミリーに仲間入りしました。
新型コロナウイルス感染症によってもたらされた混乱にもかかわらず、EYが長年にわたって守り続けてきたインターンシップへの責務を果たしました。
EYは、今年提供した1万5,000件のインターンシップのうち、半数以上をオンラインで実施しています。インターンたちは、ソーシャルメディアを活用し、EYでのインターンシップ体験をシェアする活動を行いました。インスタグラムのテイクオーバーやストーリーを通じて、時には「日常生活」コンテンツに、自宅からペットやルームメイト、子どもなどの登場も交えて投稿しました。
EYのTalent Attraction and Acquisitionチームは、価値ある経験を提供するために尽力しました。インターンたちが、たとえ在宅勤務であっても、実際に進行中のプロジェクトに貢献し有意義な仕事を達成できるようにするとともに、インターンがEYのカルチャーに支えられていると感じ、EYの理念に触発されるように心がけました。
第3章:より良い決定を行うための、洞察力とフィードバックの獲得
長期的な働き方の変革
EYのメンバーに対して有意義なスキルや経験を追求する機会を提供し、一人一人に合ったキャリア形成を支援することに加えて、前向きで信頼に足る、共感を得られる双方向コミュニケーションが非常に重要です。
このためEYでは、さまざまなツールを利用してEYのメンバーの意見に耳を傾けています。アンケート調査のほか、集積技術とデータを活用した単一質問形式の「ムードトラッカ―」を用いて、EYのメンバーが体験していることを定期的に把握し、対応しようと努めています。
新型コロナウイルス感染症の危機が拡大する中で、この取り組みは特に重要でした。危機の間もフィードバックと会話を継続できたため、追加的な研修の実施や育児手当の追加給付など、EYのメンバーが必要としている事柄に対して、これまで以上に意識を向けることができました(今年最も人気の高かったオンライン講習の1つは「オンラインミーティングを効果的に行う方法」でした)。
EYのメンバーの洞察力とフィードバックは、より良い経験の創出に役立ちます。また、チーム間の連携を向上させ、お互いをより効果的にサポートできるよう支援するとともに、帰属意識を高めます。
この1年を通じて、新たなチームの組成方法や学習方法が見いだされています。私たちは将来のさまざまな、より俊敏な働き方に、こうした経験をどのように生かせるかを検討しています。
第4章:100万人の強力なEYアラムナイ(卒業生)
過去と現在のEYのメンバーをつなぐサポート
強固な人間関係は、EYにとって非常に重要な要素であり、業績を上げているチームがクライアントに卓越したサービスを提供する際の下支えとなるものです。そして、EYが有する最も重要なつながりの1つがEYアラムナイです。
世界75カ国以上で活動するEYアラムナイのネットワークは、過去および現在のEYのメンバーと友人、機会、リソース、ネットワークをつなぐ手助けをしています。
現在、100万人を超えるEYの卒業生が、起業家、学者、企業のリーダー、慈善団体や政府機関勤務など、世界中のあらゆる分野で活躍しています。
EYではさまざまな機会を通じて、アラムナイとのつながりおよびEYのアンバサダーたちを誇りに思い、称賛しています。その1つが、「EY Alumni Week」の開催です。毎年、大きなEYファミリーの一員であるアラムナイに感謝し、より良い社会の構築を目指すEYの取り組みに対するアラムナイの支援をたたえます。
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サマリー
EYのメンバーに長期的価値をもたらすために、EYは今必要な、また将来的に必要となる機会、研修、経験を提供し、一人一人のユニークなキャリア形成を支援します。