ESGデータ利活用で企業のサステナビリティ経営を加速するデジタルプラットフォーム

> 気候変動・サステナビリティ

サステナビリティ経営の実践のためには、財務データに加え、サステナビリティ関連データも含めて、さまざまなデータを経営戦略に積極的に活用していくことが重要です。EYでは、企業が保有するESG関連データを活用し、ESGトレンド調査、マテリアリティ分析、ESG中長期戦略策定、非財務KPI策定とモニタリングなど、企業のESG取り組みを一気通貫で支えるデジタルプラットフォームを提供しています。

概要

  • 国内外のESG関連の開示基準/枠組みに準じているため、グローバルで事業を展開する企業にも適用可能
  • グローバルネットワークにおけるマイクロソフトとの連携*1 、および、日本マイクロソフト株式会社のSustainability Changemaker アワード受賞*2 に裏付けされるマイクロソフト テクノロジーの活用実績や、EYのプロフェッショナルファームとしての数々のESG支援による知見を融合
  • 新しいデジタルプラットフォームをワークショップ形式で体験できるプログラムを提供

背景

  • 日本ではコーポレートガバナンスに関する報告書、世界ではTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)、ISSB(国際サステナビリティ基準審議会)、CSRD (企業サステナビリティ報告指令)、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)などの開示要求が進んでいます。
  • 経済産業省の「サステナビリティ関連データの効率的収集と戦略的活用に関するワーキング・グループ (2023年7月)」*3 においては、「サステナビリティ経営の実践のためには、財務データに加え、サステナビリティ関連データも含めて、さまざまなデータを経営戦略(モニタリング、分析、意思決定等)に積極的に活用していくことが重要」と指摘し、データ利活⽤の有⽤性について提唱しています。
  • サステナビリティ経営で重要となる非財務情報は、制度化されたルールがある財務情報とは異なり、可視化することが容易ではありません。例えば、住宅メーカーの新築、リニューアル、解体といった建物のライフサイクルにおいて「建材等の廃棄物(製品端材など)のリサイクル率を100%にする」という目標を設定した場合、その進捗をどのように把握していくのでしょうか。進捗を把握するためには、物流を追跡して、データを収集・分析して可視化する必要があります。それができない場合、現状を把握できず、情報開示もできません。テクノロジーを活用して、タイムリーに情報を把握できれば、スピーディーな情報開示ができ、ステークホルダーの信頼を得ることにもつながります。そして、素早く正しい経営判断ができることによって、新商品・サービスのスピーディーな投入、作業効率の向上、コスト削減のメリットが期待できます。つまり、企業経営の持続性を高めるためには、非財務情報を可視化するためのプラットフォームの構築が必要となります。

*3 経済産業省「サステナビリティ関連データの効率的な収集及び戦略的活用に関する報告書」、www.meti.go.jp/press/2023/07/20230718002/20230718002-2.pdf (2023年9月20日アクセス)

ESGデジタルプラットフォームの特徴

  • EYが提供するESGデジタルプラットフォームは、EYのグローバルネットワークにおいて開発したアセットと、日本独自で開発したアセットを組み合わせて構成されています。日本でニーズの高いGRI(Global Reporting Initiative)やTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)などの枠組みに対応する一方、EU域内の大企業、上場企業が対象となるCSRD(企業サステナビリティ報告指令)などの欧州・米国などの基準にも準じています。そして、EYのグローバルで開発したアセットは日本語化対応をしているため、グローバルで事業展開をする日本企業に活用しやすいように構築しています。
  • 開発に当たっては、EYが多くの日系企業へのプロジェクト支援で培った知見を活用しています。そのため、日系企業へのご提案の際には、日系企業側の視点でのリアリティのある実測値(GHG排出量結果、排出係数など)でデモを紹介し、実導入においても手戻りのリスクを最小化したプロジェクト提案が可能だと考えております。
  • なお、EYが提供するESGデジタルプラットフォームは、以下の4つの機能から構成されます。

    1) データ統合・可視化 - Microsoft Cloud for Sustainability
    2) 算出・予測 
    3) レポーティング
    4) ベンチマーキング 
図1:ESGデジタルプラットフォーム
図2:ESG関連プロジェクトライフサイクルとデジタルプラットフォームの関係

1)データ統合・可視化

  • さまざまなデータソースから非財務情報を収集・分析し、「Environment(環境)」「Social(社会)」「Governance(ガバナンス)」別に社内状況を可視化する機能

* +を押下すると機能概要およびダッシュボードイメージが表示されます

  • Environmentの領域

    • 「スコープ1(直接排出)」「スコープ2(間接排出)」「スコープ3(その他の排出)」「再生可能エネルギー活用割合」を可視化
    • 「国・組織事業別」「Scope 1、2、3内のソースタイプ別」でフィルタリングが可能
    • 国際基準である「温室効果ガス(GHG)プロトコル」に準拠
    図3:Environmentの領域(スコープ1、2、3)
  • Socialの領域

    ダイバーシティから⼀部抜粋

    • クライアントニーズに合わせEYが開発
    • 社内の「女性比率」「障がい者比率」「外国人比率」などを可視化
    • 「部署」「年齢」「性別」「勤続年数」などでフィルタリングが可能
    図4:Socialの領域(ダイバーシティから一部抜粋)

    ウェルビーイングから⼀部抜粋

    • クライアントニーズに合わせEYが開発
    • 社内の「ストレスチェック状況」「健康相談者数」「特定保健指導者数」などを可視化
    • 「部署」「年齢」「性別」「勤続年数」などでフィルタリングが可能
    図5:Socialの領域(ウェルビーイングから一部抜粋)
  • Governanceの領域

    違反から一部抜粋

    • クライアントニーズに合わせEYが開発
    • 社内の違反状況を「安全衛生(労災)」「労務」「情報」「財務」などの区分で可視化
    • 「子会社」「部署」などでフィルタリングが可能
    図6:Governanceの領域(違反から一部抜粋)

2)算出・予測

  • 環境データ活用の高度化:CO2排出予測や改善施策よるインパクトを可視化するシミュレーション機能
  • MACC(限界削減コストカーブ)

    • 改善施策別の費用対効果を可視化 (施策別にCO2を1トン削減するために必要なコストを可視化)
    • 縦軸がコスト(金額)、横軸はCO2の削減量、棒グラフは改善施策:右に行くほど、CO2削減の費用対効果が低い
    図7:MACC(限界削減コストカーブ)
  • インターベンション(改善施策)

    • これまでの社内検討内容(排出量予測やコスト変動予測など)を基に、排出削減目標に対する進捗などを可視化
    図8:インターベンション(改善施策)

3)レポーティング

  • 管理KPIの拡張/可視化:非財務情報のKPI管理とレポーティングを支援する機能
  • KPIカタログ

    KPI カタログ

    • 国内外のESG情報の開示基準/枠組みで扱われているKPIをカタログ化
    • 対象会社が属する業界別、対応すべきESG基準/枠組み別にKPIを選定し、提示
    図9:KPI カタログ
  • マテリアリティアセスメント

    • 企業のマテリアリティ(企業が解決にコミットした社会における重要課題)を特定するための機能:社内外のステークホルダーにサーベイを実施し、その回答結果を可視化
    図10:マテリアリティアセスメント
  • ⾮財務指標別ダッシュボード

    • 自社で設定したKPIを含めた非財務指標を可視化
    • 「対象期間」「地域」「国」「データタイプ(使用エネルギーなど)」別にフィルタリングが可能
    図11:非財務指標別ダッシュボード

4)ベンチマーキング

  • 競合とのFit&Gap分析/可視化:同業他社との比較分析ができる機能
  • 第三者評価機関からの評点の正規化

    • 対象企業のサステナビリティ経営の状態について、第三者評価機関から評点を提示
    • 評価点が低いオポチュニティ(改善可能な項目)を可視化
    図12:第三者評価機関からの評価点の正規化
  • 評価機関別点数ギャップの可視化

    • 「ビジネスモデル」「環境」「ガバナンス」「人材資本」「社会資本」カテゴリーにおいて、評価機関別の評価結果を可視化
      *点数が⼤きいほどあるべき姿とのギャップが存在(下図は「環境」カテゴリーにギャップがあり、効果的な改善が期待される)
    図13:評価機関別点数ギャップの可視化
  • ESGスコアのギャップ評価とオポチュニティ管理

    • オポチュニティ(改善可能な項目)を一覧化
    • フィルタリング機能を活用することで、改善施策の優先順位付けの検討を支援
    図14:ESGスコアのギャップ評価とオポチュニティ管理

ワークショップ型プログラムについて

  • EY wavespace™という新たなイノベーションを実現するためのスペースで、ESG戦略策定や課題の特定、本デジタルプラットフォームのPoV(価値実証)が行える最長2日間のワークショップ型プログラムも同時に提供を開始します。
  • ワークショップ型プログラムは、クライアントとEYが、インタラクティブに議論して本デジタルプラットフォームの価値を実証します。デジタルプラットフォームをどう活用していくか、どうカスタマイズする必要があるか、またデジタルプラットフォームを通してESG戦略をどのように考えるかなど、クライアントの取り組み状況や課題に合わせ、0.5日~2日の複数プログラムをベースに、広範なアジェンダに対応します。
     

ワークショップ@EY wavespace™ プログラム概要

図15:EY wavespace (TM) ESG Insight Programの概要

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