1. 分割また現物出資に係る比較試験研究費の額および平均売上金額の調整計算方法
比較試験研究費の額および平均売上金額(以下、比較試験研究費の額等)の計算において、組織再編成前の事業年度に係る分割法人または現物出資法人(以下、分割法人等)の試験研究費の額および売上金額(以下、試験研究費の額等)の全額を分割承継法人または被現物出資法人(以下、分割承継法人等)の試験研究費の額等に加算することが原則です。この場合、分割法人等は何ら調整(控除)を行いません。
一方、納税地の所轄税務署長の承認を受けた場合には、移転事業に係る試験研究費の額等を合理的に計算し、その金額を分割法人等および分割承継法人等の比較試験研究費の額等の金額に加減算する特例計算の適用ができます。
2. 改正前の取り扱い
前述1.の承認を受ける場合には、再編後2カ月以内に移転事業に係る合理的な区分方法について納税地の所轄税務署長に認定を申請し、再編に係る全ての法人が特例計算の適用を受ける旨の届出をする必要がありました。
3. 令和5年度の改正点
前述2.の認定申請・届出を廃止し、それぞれの分割法人等が確定申告書等、修正申告書または更正の請求書に必要事項を記載した書類を添付することで特例計算の適用を受けることができることになりました。
なお、この特例の適用を受ける場合には、2年目以降も確定申告書等への書類の添付が必要となります。
また、改正前に認定・届出の添付を行った場合には、改正後の事業年度における書類の添付は不要とされます。逆に、改正前に認定・届出を行わなかった場合でも、改正後の事業年度における確定申告書等に当該書類の添付をすることで特例の適用を受けることが可能となります。