- Scope1:燃料の使用等による自社による温室効果ガスの直接排出
- Scope2:他社から供給された電気等の使用に伴う間接排出
- Scope3:Scope1、Scope2以外の間接排出(自社の上流・下流の活動に関連する他社の排出)
つまり、事業者自らの排出だけでなく、原材料調達・製造・物流・販売・廃棄など、事業活動に関係する全体から発生する温室効果ガスを合計した排出量の開示が求められます。
また、21年9月にCSRDの設定主体である欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)公表のプロトタイプ基準では、開示対象年度のみならず基準年度および比較対象である前々期、前期の情報開示も求められているため、過去情報の収集についても留意が必要です。
3. 第三者保証
CSRDに基づくサステナビリティ報告は外部の第三者による限定的な保証を受ける必要があります。また、本制度導入後、限定的な保証よりも保証水準の高い合理的な保証へ移行する予定です。
当報告は、前述の通り、マネジメントレポートにて開示されるため、当該保証は、原則的には監査人によって提供される予定です。ただし、監査法人以外の保証者にも保証業務の提供が許可される予定です。
4. 免除規定
CSRD開示は個社ベースの開示を親会社が作成し、第三者の保証を受けた連結グループのCSRD開示に代替することが可能です。
5. スケジュール
23年度より適用開始予定です。22年10月31日までにサステナビリティ報告基準の第1弾(開示すべき全てのサステナビリティ事項および全ての報告領域が含まれる予定)が採択され、23年10月31日までにサステナビリティ報告基準の第2弾(最初の基準での開示を補完する情報や業種固有の情報が含まれる予定)が採択される予定です。また、EU加盟国は、23年1月1日以降始まる事業年度より適用するよう、22年12月1日までに本EU指令を国内法化が求められています(<図2>参照)。
※ 執筆後、欧州理事会でCSRDの適用開始時期を遅らせる修正がなされています。22年春開催の欧州議会で協議され、最終決定される予定です。