第1章
メタバースのデータと商取引の脱炭素化競争
メタバースを完全に実現するには、今以上に多くのデータとコンピューティング能力、そしてエネルギーが必要になるでしょう。
メタバースが約束する持続的な仮想世界やエクスペリエンスを実現するには、「あふれるほど豊富なクラウドストリーミングデータ」が必要になるでしょう。1 これらのデータを生成するためには、さらに多くのコンピューティング能力が必要になります。ある試算では1,000倍にもなるとされています。また、現在メタバース商取引の原動力となっている、膨大な計算を必要とするブロックチェーン取引も拡大するとみられます。これらの要因がエネルギー消費量、ひいては炭素排出量に及ぼす影響は、データセンターの効率性と電源の種類に大きく左右されるでしょう。
データセンターの脱炭素化を同じペースで進められるか?
過去10年間、効率性が向上したことで、データセンターの業務量と消費電力量が連動することはありませんでした。2010年から2020年にかけて、インターネットトラフィックは16.9倍、データセンターは9.4倍に増加しましたが、電力消費量の増加はわずか1.1倍でした。暗号通貨のマイニングを除けば、データセンターの電力需要は世界全体の約1%です。2
このような効率性向上の主な要因は、エネルギーコスト抑制に強い関心があり、継続的な改良と最適投資ができる資本を持つ大手ハイテク企業が運営する超大型データセンターへの移行です。
「パブリッククラウドサービスのプロバイダーは、立地選択から建物の建築、クリーン電源、サーバーラック、冷却、ソフトウェア、プロセッサーに至るまで、超大規模データセンターを一から手掛け、驚くべき効率性を実現しています」と、EY Americas Infrastructure and Service Resiliency Leader、Amr Ahmedは述べています。
超大規模データセンターのエネルギー需要がデータセンター全体に占める割合は、2015年の16%から、2021年には45%にまで増加しています。3
また、大手ハイテク企業の大部分は、炭素排出の削減に強くコミットしています。すでに電力需要の100%を再生可能エネルギーによる電力の購入契約で賄っている企業もあります。さらに、データセンターのエネルギー需要を場所ごとに特定の再生可能エネルギーで常時賄う「24x7(1日24時間週7日)再生可能エネルギー」への移行を進めている企業もあります。
しかし、このような目覚しい効率化と脱炭素化達成の障害となり得る要因がいくつかあります。 データプライバシーとデータローカライゼーション要件 のために、一部の企業が自社のデータセンターを維持する、または復活させる可能性があることです。さらに、リアルで魅力的な VR 体験には低レイテンシーが必要なため、データ処理がユーザーに近いネットワークの末端で行われる可能性もあります。
その結果、データセンターの中には、再生可能エネルギーの調達が困難な場所や、運用条件(熱、湿度、送電網の断続性など)により効率性が低下する、あるいは炭素集約型のバックアップ発電を必要とする場所に設置される可能性があります。引き続き、 グリーン電力網のグローバルな 拡大と、レジリエントな分散型データセンターソリューションの構築が極めて重要になるでしょう。
メタバースにおける商取引への電力供給
メタバースに関して確立されつつある、創造、販売、所有、投資などの商取引慣行は、気候という視点から見ると、大きな問題をはらんでいます。ブロックチェーンベースのプロセスを通じて鋳造され、暗号通貨で支払われる非代替性トークン(NFT)は、デジタルアートや仮想土地などの資産の所有権移転の主要な手段となっています。
しかし、10万件のクレジットカード取引のエネルギー消費量と比較すると、平均的なイーサリアムの取引では60%増、平均的なビットコインの取引では14倍のエネルギーが必要です(図2参照)。4
ビットコインの採掘に消費されるエネルギーのうち、再生可能エネルギーは約25%に過ぎません。ある分析では、平均的な1回のNFT取引で48kgのCO2が発生するとされています。これは18リットルのディーゼル燃料の燃焼量に相当します。5
ビットコインとイーサリアムの取引は、世界のデータセンターでの消費量を上回る、年間300テラワット時以上の電力を消費していると推定されています。6 データセンターは世界中の何十億人もの人々、つまりインターネットに接続できるデバイスを持つ人全てにサービスを提供していますが、現在暗号通貨の利用者は約3億人に過ぎません。7取引において、プルーフ・オブ・ワークからエネルギー消費の少ないプルーフ・オブ・ステークに業界全体が移行すれば、暗号通貨の電力消費量を減少できる可能性があります。
このようなコストとメリットの配分のギャップが明らかに示すとおり、メタバースが飛躍的に成長し、メタバースでサステナブルな商取引を行うことが難しくなる前に、今、規制当局、投資家、消費者、その他のステークホルダーが早急に介入する必要があります。
第2章
フィジカルをバーチャルに置き換える
メタバースが現実世界のサステナビリティに貢献できる可能性があります。
「メタバースは現実世界によっては制約されない機能を提供します。これにより、企業がすでに行っている取り組みが強力に推進される可能性があります」と、EY-Parthenon、EMEIA Digital LeaderのThomas Møllerは述べています。「テストに始まり組み立てや解体、新製品・サービスの開発に至るまで、仮想化によって、より優れた顧客アウトカムや顧客体験を、より少ない現実のリソース消費で、より迅速に実現することができます」とMøllerは付言しています。
資源を大量に消費する現実の商品や現実世界での体験を、メタバースでのデジタルやバーチャルなものに置き換えることで、サステナビリティに大きく貢献できる可能性があります。IoT、可視化、さまざまなソースからの実世界のデータを組み合わせて創造される現実世界のデジタルツインにより、地球規模でも個々の人間にとっても、新次元の最適化が可能になるでしょう。
バーチャルな消費:現実のリソース消費の減少
メタバースにおけるデジタル製品やバーチャル体験では、現実世界における同種のものと比較し、資源消費や炭素排出量が大きく減少する可能性があります。メタバースで提供される製品・サービスの魅力が増すとともに、消費者は限られた予算をよりサステナブルでバーチャルな選択肢に振り分け、その結果、サステナビリティに大きなプラスの影響を与えるかもしれません。
具体例を挙げると、世界のデニム取引では、年間16.0メガトンのCO2相当量を排出し、47億立方メートルの水を消費しています。8 もし、消費者が身に付ける本物のデニムを購入する代わりに、自身のアバター用にバーチャルなデニムを購入することを選択すれば、相当量の炭素と水の節約になるでしょう。EY Future Consumer Index によると、すでに消費者の21%が、より多くのことをデジタルで行うと予想し、将来は現実の製品・サービスの購入を減らす意向を示しています。
このような代替により現実のデニム取引が10%減少した場合、CO2排出量では、米国の内燃機関車約35万台の年間排出量に相当する量を、水の消費量では、中国の消費者1人当たり年間平均使用量の40万人超分に相当する量を削減することができます。9 消費者のさまざまな支出対象を考慮すると、代替効果により、炭素と資源の利用を大幅に効率化できる可能性があります。
また、試着体験のリアルな仮想化には、サステナビリティの点でも有意義なメリットが期待できます。オンライン販売の世界的な増加に伴い、返品が増えています。例えば米国では、2021年にオンラインで販売された商品の21%が返品されています。顧客は、異なるサイズや色の商品を「まとめ買い」することで、過剰に購入することがよくあり10 、返品のために、輸送距離、梱包、在庫は2倍必要になります。このような偽りの需要に反応して企業が過剰に生産し、廃棄物の増加につながることもあります。
あらゆる形態の没入型テクノロジーと同様、メタバースには、現実世界では不可能な、さまざまなことの実現が期待できます。
メタバースでの出会い:新しい旅の形
休暇あるいはビジネスの旅行も、空路・陸路双方の多くがメタバースでの体験に置き換わる可能性があります。航空旅行による排出量は、パンデミック以前は世界全体の2.5%を占めていましたが、その後、半減しました。11 ビジネス界と消費者は、ビデオ会議が、チームのミーティングや仮想ハッピーアワーなど、多様な目的を果たす上で素晴らしいとは言えないまでも、十分であることを認識しました。
仕事であれ遊びであれ、メタバースに集うことを想像してみてください。「リアルな」集まりでは不可能な方法で、従来の旅行であれば必要な時間や費用、手間がなく、参加者の存在をリアルに感じつつ、協働や共有、レクリエーションをすることができるのです。
これは、メタバースベースのコンサートでは、すでに現実となっています。もし、実際に開催されていたとすれば、何千人もの人々が旅行していたことでしょう。対面での交流が重要であることに変わりはありませんが、メタバースでの旅行が、旅行の大半を占めるようになる可能性があります。
デジタルツイン:フィジカルをバーチャルで最適化する
AI、ARやVR、IoTそして衛星生成データがメタバースで融合することで、デジタルツインの向上が期待できます。デジタルツインは、現実世界の存在やプロセスを仮想的に再現したもので、サプライチェーンや製造設備、そして個人に至るまで、地球規模でサステナビリティの推進に寄与できる可能性があります。
- 欧州宇宙機関は、地球のデジタルツインの実現に向けて取り組んでいます。その目的は、人間の活動が地球に及ぼす影響を可視化・予測し、さまざまなシナリオのシミュレーションにより、政策決定者に情報を提供することです。このプロジェクトがまず取り組むのは、南極、海洋、森林、気候などの、地球の主要なサブシステムです。
- 製造業とサプライチェーンのデジタルツイン により、原材料投入、プロセス、エネルギー、トレーサビリティ、ロジスティクスを最適化することができます。すでに多くの業界で、デジタルツインが、ジェネレーティブデザインやAdditive Manufacturing(付加製造)などのアジャイル製造アプリケーションと組み合わせて活用されており、金属の廃棄量やエネルギー使用量の大幅な削減につながっています。
- 患者のデジタルツイン技術 は、ウェアラブルセンサーや大気汚染レベルなど、従来の医療記録にとどまらない幅広いデータソースを統合することで個人の将来の健康状態を予測し、より良い医療と成果を可能にします。
しかし、恐らくデジタルツインがサステナビリティを推進する上での最大の機会であり、最も高い必要性があるのは、世界の炭素排出量の70%を排出している都市でしょう。12 暖房、冷房、照明などの建物設備だけでも、世界の排出量の28%を占めています。世界全体の建物の床面積は2060年までに倍増すると予想されています。これは40年間、毎月ニューヨーク市の建物全ての床面積に相当する量が増えていくことを意味します。13
EYチームの調査報告書(pdf) によると、デジタルツインにより以下のことが実現できます。
- 建物の排出量を50%削減
- 運用・保守の効率を35%改善。
- 人間の生産性が20%上昇。
- 空間利用が15%向上。
「IoT、3D可視化、オープンデータ、モバイルデータの交点である都市デジタルツインは、現在存在する唯一の現実世界のメタバースです」と、都市デジタルツインのプラットフォームを提供するCityzenith社CEO、Michael Jansen氏は主張しています。さらに、「建築環境における排出量削減には、さまざまな種類のツールを統合し、if-thenシナリオのシミュレーションを行う必要があります。都市デジタルツインは、データの多様性、大規模な可視化、マルチシステムシミュレーションの取り扱いに優れており、この種の課題には最適です」と述べています。
将来的には、建物のデジタルツインが地域や都市全体のデジタルツインに接続されることにより、都市の管理者が都市のメタボリズム(代謝作用)について深く理解し、サステナビリティを広範に向上させる新たな機会を得るだろう、とJansen氏は述べています。
第3章
イマーシブエクスペリエンスを通じて気候変動対策を前進させる
イマーシブ(没入型)エクスペリエンスが、気候変動対策に対する行動障壁の克服につながる可能性もあります。
気候変動に対処する上での最大の障壁は、技術ではなく、行動に関するものです。私たちは進化の過程で、双曲割引に基づき「今」の成功を求めるよう条件付けられてきたため、将来の多額の報酬やコストよりも目の前の少額の報酬やコストを重視する傾向があります。気候変動のような長期的で一見緩やかな問題では、人間の行動が惨事を招く要因になります。
気候変動に対する心理的障壁を打ち壊す
私たちの短期バイアスはあまりに深く根付いているため、たとえ気候変動が急速に進行していたとしても、それを認識することは困難です。20億件のソーシャルメディアへの投稿を調査した結果、私たちは、歴史的に見ても異常だと考えられる気候状況でも、すぐに正常だと考えるようになることが分かりました。この調査では、人々は、過去2年から8年の間に起こったことだけを基準にして、正常な天候とはどのようなものかを判断していることが明らかになったのです。14
しかし幸運にも、メタバースの中心的要素になるイマーシブエクスペリエンスは私たちの精神の他の領域に働きかけることができます。これにより、気候に対する新たな意識が生まれ、行動につながる可能性があります。VR環境がユーザーに提供するエクスペリエンスには、以下の3つの重要な次元があります。
- 臨場感:ユーザーは自分が人工的に作られた媒体によるエクスペリエンスの中にいることを忘れる。
- 没入感:高度なメディア技術により臨場感が生まれる。
- 具現化: その環境下では、考え方や性格を本当であるかのように変えることができる。15
オレゴン大学ジャーナリズム・コミュニケーション学部の助教授で、スタンフォード大学Virtual Human Interaction Lab創設ディレクターであるJeremy Bailenson氏と共に「Virtual reality and the psychology of climate change」を執筆したDavid Markowitz氏は、「あらゆる形態の没入型テクノロジーと同様に、メタバースには、現実世界には不可能な、さまざまなことの実現が期待できます」と述べています。
「例えば、気候科学による予測では2050年や2100年に世界がどうなっているのかを、時期を早めて体験できるのです。環境活動家の長年の主張に反応しなかった人も、その経験を脳で現実として受け止められます。それにより、多くの人の関心を集めることができます」とMarkowitz氏は述べています。
イマーシブエクスペリエンスがより大きなインパクトをもたらす
気候などの サステナビリティの問題とVRに関して実施された種々の実験では、イマーシブエクスペリエンスにより学習効果が向上し、さらに、問題を自分のこととして考え、より感情的に関与する傾向が高まることが明らかになっています。
気候とは無関係のあるVR実験では、参加者は居住地から強制退去させられ、サンフランシスコの路上でホームレスとしての生活や交流を体験しました。 仮想空間でこのような体験をした人は、住居のない人々の権利を擁護する傾向が高くなりました。
気候変動のために移住を余儀なくされたり、異常気象による災害の被災者になるなどの体験も、有意義な気候変動対策の推進につながる可能性があります。「このような体験を通して他の人の立場に立ってみると、その人だけでなく、その人が属する集団にも、より共感できるようになると考えてもいいでしょう」とMarkowitz氏は述べています。
気候変動に対処する上での最大の障壁が行動であるなら、イマーシブエクスペリエンスは、問題への感情的な関与を高め、有意義な行動を促すことができます。
また、Markowitz氏によると、メタバース開発のもう1つの中核的要素であるゲーミフィケーションも、イマーシブエクスペリエンスと共に活用することで、サステナブルな行動を促す可能性があります。数年前に実施された没入型ではないアナログな実験では、環境保護を擁護する趣旨のゲームを行った参加者は、その後、エネルギー節約につながる行動を取る傾向が高くなりました。「これが基準だとすると、イマーシブエクスペリエンスやゲーミフィケーションによってどのような効果が得られるか、そして人々がより重大な決断を下す可能性があることを想像してみてください」とMarkowitz氏は述べています。
さらにMarkowitz氏は、このようなイマーシブエクスペリエンスが普及すれば、企業の気候変動対策も促進される可能性も示唆しています。ブランド企業は、消費者に製品のサステナビリティを示す製造・流通過程や特性を没入的に体験させ、自社が誠実に環境問題に取り組んでいることを証明するようになるかもしれません。
気候変動への取り組みを示すイマーシブエクスペリエンスが消費者に与える影響は、公表されている文書よりもはるかに大きいとみられます。実体感のあるサステナビリティの体験を消費者に提供できない企業は不利な立場に置かれることになるでしょう。「本当に行動しているのは誰なのか、そして、ただ形だけまねているのは誰なのかが明らかになるでしょう」とMarkowitz氏は述べています。
第4章
メタバースのESGの「S」を忘れてはならない
新しい仮想世界をウェルビーイングの中心に置くためには、この機会を逃すべきではありません。
今、私たちはメタバースに環境上のサステナビリティを作ることだけに注力するべきではありません。メタバース内で融合している新しい仮想世界が、現世界のサステナブルでない社会的側面を単に輸入したものにならないように、この機会をどのように生かしていくかについても考えなければなりません。
「この機会を捉え、メタバースを富裕層やアクセス可能な人々だけのものにしておくのではなく、多くのステークホルダーの社会的インクルージョンとエクイティが実現されるよう、一から設計するべきです。メタバースにおけるアクセス可能性、ダイバーシティ、インクルージョン、エクイティの問題に対し、それらが根付く前に行動する必要があります」とEY Global Vice Chair - Sustainability、Steve Varleyは警告しています。
メタバースを現状より改善するために、何をするべきなのでしょうか。簡単な答えはなく、単一のプレーヤーが解決策を持っているわけでもありません。目的意識、そして企業、規制当局、投資家、学術界、市民社会組織の間の幅広い多様な協働が必要となるでしょう。
例えば、企業が仮想世界を構築する際には、学術界と連携し、その世界ではシステムが実際にどのように機能し、ユーザーにどのような影響を与えるかを理解することが重要になります。
メタバースにおけるアクセス可能性、ダイバーシティ、インクルージョン、エクイティの問題に対し、それらが根付く前に行動する必要があります。
もう1つの重要で不可欠な協働とは、テクノロジー企業と多様な潜在的ユーザーとの協働です。この目的は、潜在的ユーザーが本当に必要とし、テクノロジーに求めているものを理解し、アクセス可能で安価なもの作り、メタバースへの公平なアクセス手段にすることです。
教育は、このようなテクノロジーとステークホルダーが協働して共に取り組むことにより、インクルージョンとエクイティを実現できる領域です。「メタバースには所得格差を拡大させる恐れがある一方で、世界中の人々が容易に教育を受けられるようにすることで、所得格差を解消する手段にもなり得ます。収入や場所に関係なく、イマーシブエクスペリエンスとバーチャルな協働のパワーを若者に提供するメタバース大学の可能性を想像してみてください」とVarleyは述べています。
ビジネス界が主導して、メタバースをサステナブルにする
最終的に、私たちはメタバースが形成されていく様子を傍観しているだけではいけないのです。メタバースが行き着く未来には多くの可能性があります。私たちは現実世界における環境のサステナビリティと仮想世界における人間の繁栄の実現に向け、未来を創造するための主体性と解決策の双方を持っています。
メタバースはサステナビリティの新しい次元を開きます。今こそ、ビジネス界はそのイノベーション、団結力、投資を活用し、この重要な局面で主導力を発揮するべきです。それは、ステークホルダーと協力し、私たちが望み、必要とするメタバースのビジョンを策定し、それを実現するための未来志向の戦略を設計することから始まります。
関連記事
サマリー
メタバースは、サステナビリティの新しい次元を開き、課題と機会の双方をもたらします。コンピューターを多用する取引に関しては、エネルギー消費と炭素排出量の面から懸念が高まっています。しかし、メタバースは、物理的な商品や体験の仮想的なものへの代替、デジタルツインによる最適化、イマーシブエクスペリエンスを通じた気候変動対策への行動障壁の克服を可能にするため、炭素排出量の削減が期待できます。社会のサステナビリティも同等に重要であり、メタバースが全ての人にとってアクセス可能で、インクルーシブかつ公平であるようにする必要があります。この目標を達成するためには、ビジネス界が主導しなければなりません。