まず、海外においては、サステナビリティ情報開示の重要性が高まりを見せる中、非財務情報に関する基準やフレームワーク等を開発する設定主体が乱立している現状を解消し、国際的に比較可能で統一的な基準を開発する動きが活発化しています。国際財務報告基準(IFRS)を策定する国際会計基準審議会(IASB)を傘下にもつIFRS財団においては、国際的なサステナビリティ情報の開示フレームワークの設定主体となる新審議会「国際サステナビリティ基準審議会」(ISSB)を21年11月に創設しました。今後ISSBは、具体的なサステナビリティ開示基準案の検討を開始できるよう、技術的な提言を行うことを目的として発足したTRWG(Technical Readiness Working Group)とともに、22年上旬を目途に非財務情報開示に関するグローバル基準として、新サステナビリティ基準を公表する予定となっています。また、22年下旬には、サステナビリティ開示基準の国際的な一貫性を促進するための調整作業を求めるIOSCO(証券監督者国際機構)による基準のエンドースメントと、EFRAG(欧州財務報告諮問グループ)によるサステナビリティの開示要件案の作成が予定されています。