ファイナンシャルプランニング&アナリシス

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経営環境の急速な変化に伴い企業の課題が複雑化する中で、CFOおよびファイナンス組織はその役割を進化させ、企業にとってのビジネスパートナーとなることが求められています。

EYでは、CFOおよびファイナンス組織がビジネスパートナーとしての役割を高度化させ、グループ全体の各事業の強化、および新たな成長領域への進出により、中長期視点で企業価値の最大化を達成するための活動をクライアントと共に推進します。

FP&AとはCFOやファイナンス組織が担当する機能領域の一つであり、企業価値の最大化を目的としているため、ビジネスにおける意思決定に大きな影響を与えます。FP&Aの役割は、経営戦略の策定や具体的な施策の決定に向けて、財務や会計の視点から必要な情報を収集・提供し、経営者や事業部門長の意思決定を支援することです。会社全体、事業、サービス・製品の各種単位において、財務的な視点からさまざまな分析や管理を行い、戦略を立て、ビジネスパートナーとして経営者や事業部門長と協力し、実行することが求められます。そのような状況の中、FP&Aに携わるCFOやファイナンス組織は以下のような支援を行います。

  • 分析、計画作成・予算作成における予測、業績報告を通じて、組織内の意思決定プロセスを支援する。(戦略/計画策定・実績管理、ポートフォリオ管理)
  • 意思決定者やその他のステークホルダーを支援するため、データや関連する事実を分析し、洞察を伝える。(フォーキャスティング)
  • 組織の財務業績に影響を与える要因に関する質的・量的情報を収集するために、組織内外の関係者とのコミュニケーションを図る など
図1:グローバル企業におけるCFO・ファイナンス組織の担当領域

EYでは、CFOおよびファイナンス組織がビジネスパートナーに進化するため、企業活動における体系的な7つの視点(ポリシー、評価指標、プロセス、組織、テクノロジー、人材、データ)を軸として現状および目指すべき姿を定義し、そのギャップを埋めるための改善活動を支援するサービスを提供しています。

図2
  • Zero based Budgeting

    Zero based Budgetingとは、前年度を基準とした従来の予算策定手法ではなく、ゼロベースで予算を作成し、予算管理の計画を策定するプロセスです。企業文化、経営方針、管理体制および計画プロセスを整備するとともに、ゼロから予算の見直しを図ることで、本来あるべき過去実績のみにとらわれない予算策定を実現し、無駄なコストの削減につなげます。

    Zero based Budgetingを適切に管理・運用することにより、CFOおよびファイナンス組織がオーナーとして主体的に参画し、組織横断的なチームを形成しながら全社でコスト削減に取り組むことで、中期経営計画などの経営指標を即時に予算に反映し、コストに対する企業体質を変えることに役立つでしょう。営業利益率の向上のような短期的な効果だけではなく、企業文化としてコスト意識を根付かせる長期的な効果を創出することがZero based Budgetingの特徴です。

    EYでは、Zero based Budgetingの実行に当たり、コスト削減活動の監視および着実な推進に向けて以下のようなサービスを提供しています。

    • 予算と戦略のひも付け、コスト削減のターゲット特定
    • コストオーナーの設定による責任所在の明確化
    • コスト削減活動を継続的に推進できる体制構築
    • コスト削減ターゲットの優先順位付けやコストポリシー再設定
    • コスト削減活動の効果をモニタリングするKPI設定
  • 統合型経営管理:IBP(Integrated Business Planning)

    IBP とは、企業において調達、生産、販売などの各事業部門が情報共有により意思決定のスピードを向上させることによって、バリューチェーンを構成する主要機能(商品企画、研究・開発、調達・生産、物流、アフターサービス)の戦略と、投資計画、財務計画、人員計画を整合させ、計画の実行に必要な経営資源を再配分することで、サプライチェーン全体の管理および事業計画を最適化するための手法です。

    IBPを適切に管理・運用することにより、「市場の望みは何か?」、「自分たちはそれで満足することができるか」、「そのための課題は何で、どう解決すべきか」に対する解決策を部門横断で協力して創出し、スピーディーに共有できます。

    EYでは、IBPの実行にあたり、事業戦略および各計画に対する全社横断でのレビューおよびアクションプラン承認の着実な推進に向けて以下のようなサービスを提供しています。

    • 経営層や各部門をまたいだ全社的な協力体制の構築
    • バリューチェーンにおける事業戦略策定(商品ロードマップ/ポートフォリオなど)
    • 全社的に整合した各計画の段階的・体系的な策定(需要計画、供給計画、需給調整)
  • LTV(Long- term value)Management

    LTV Managementとは、株主に対する価値のみを生み出す従来の組織から、従業員、消費者、社会、および株主を含む従来よりも広い範囲のステークホルダーに対して、長期的価値を生み出す組織への変革を実現するためのプロセスです。

    長期的価値(Long-term value、LTV)を適切に管理・運用することにより、組織として長期的価値を生み出すための有意義な目的を持った上で、アプローチを明確に定め、自身が生み出す価値を享受および実証します。その結果、ステークホルダーから長期的な責任を果たせる組織として認知され、ステークホルダーから自身の組織への資本移行を実現することができます。

    EYでは、ファイナンス組織を取り巻く環境を理解した上で、長期的価値を生み出す組織への変革に向けて以下のようなサービスを提供しています。

    • ファイナンス組織の長期的なミッション、ビジョン、提供価値の定義
    • ファイナンス組織の提供価値を評価するための指標の策定
    • 指標を出力するためのデータ、収集、レポーティング、業務プロセスの構築
    • 全社の意志決定を円滑に進めるためのステークホルダーのマネジメント
  • Value chain Finance

    Value chain Financeとは、製造業が事業バリューチェーンの各プロセスにおいて、日々の事業活動の実行過程で損益最大化を図るための管理会計手法です。事業環境の変化と不確実性のスピードが日進月歩で加速し、あらゆる企業にとってレジリエントな経営が求められている今、事業活動の「結果」を評価し、次の「計画」に生かすPDCAサイクルでは事業環境変化のスピードに追随できず効率的に利益か確保できない状況です。

    Value chain Financeを適切に管理・運用することで、意思決定に必要な情報が部門間やライフサイクルの各プロセスで分断・分散された状況から脱却し、情報の共有化を図ることで現場による意思決定の質を高めます。また、事業のバリューチェーンの各プロセスで適切な戦略策定と全体最適の視点でのマネジメントの見直しを可能とし、事業競争力を向上させます。

    EYでは、各部門の意識改革や部門間の壁の打破を促し、機能単位で行われる意思決定の全体最適化に向けて以下のようなサービスを提供しています。

    • 部門間における情報やプロセスの分断・分散の解決
    • 共有化を図るための意思決定支援情報基盤の整備
    • 製品ライフサイクル損益における責任主体の明確化

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