12 分 2023年7月19日

なぜグローバルなサプライチェーンで再構築が進んでいるのか

執筆者
Claudio Knizek

EY-Parthenon Global Advanced Manufacturing & Mobility Leader

Experienced leader passionate about driving value creation through large-scale transformations and operational improvements. Outdoors fan. History buff. Husband and father of two.

Sven Dharmani

EY Global Advanced Manufacturing & Mobility Supply Chain Leader

Passionate about transforming supply chains. Problem solver. Curious and collaborative. Avid traveler, scuba diver and car enthusiast.

12 分 2023年7月19日

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今、事業会社は広範なディスラプション(創造的破壊)に直面しています。将来の競争力を維持するには、グローバルサプライチェーンの構造を再考する必要があります。

要点
  • 従来のサプライチェーンでは、今後通用しない可能性がある。
  • 多くの企業がグローバルサプライチェーンの構造について再考している。
  • 企業がレジリエントなサプライチェーンと競争力の保持を望むのであれば、迅速に、決然と行動する必要がある。

現代の無駄のないグローバルサプライチェーンは、時代に合わない概念になったのでしょうか。この30年から40年の間に、事業会社はグローバリゼーションの波に乗り、生産性とコスト効率の最大化を目指して国際的なサプライチェーンを構築してきました。今日、このようなサプライチェーンの構造は、世界に影響を及ぼす大事件や保護主義の増大、低コスト国における賃金インフレなどの複合的な外部要因によって脅かされています。

企業がこれらに立ち向かい、競争力を維持するには、サプライチェーンを抜本的に見直し、変革する必要があります。企業が製造設備の海外移転と国際的なサプライヤーネットワークの構築に多額の投資を行ってきたことを考えると、このような対策は、コスト的に受け入れ難いことかもしれません。しかし、EY Industrial Supply Chain Surveyによると、圧倒的多数の企業が、今日の極めて困難な状況に対処するため、すでに多くの有意義な行動を起こしている、または計画しており、これには現行のサプライチェーンの再構築、より顧客に近い地域への生産施設の移転やサプライヤーの変更などが含まれます。

本稿では、これらの動向を以下4章において考察しています。

  1. サプライチェーンの状況を一変させている外部要因
  2. グローバルサプライチェーンのモデルを再考する
  3. 各地域・セクターごとに異なるアプローチ
  4. 未来のサプライチェーンの構築
貨物コンテナの鳥瞰写真
(Chapter breaker)
1

第1章

サプライチェーンの状況を一変させている外部要因

世界的な事象、賃金インフレや保護主義の増大がサプライチェーンに影響を及ぼしています。

世界貿易機関(WTO)によると、世界の貿易量は2021年に22兆米ドルを超え、1980年の10倍超に増加しました。この爆発的な増加に拍車をかけたのは、グローバルサプライチェーンの拡大および市場と供給源の開放をもたらした地政学的動向です。企業は自社のサプライチェーンを再編し、メキシコ、ルーマニア、中国、ベトナムなどの低コスト国の生産拠点とサプライヤーを新たに加えました。

この戦略は極めて費用対効果が高いことが証明されましたが、避けられないトレードオフを伴いました。複雑化が進み、物理的距離が増大したこと、ジャストインタイム在庫管理などのイノベーションなどが相まって、グローバルサプライチェーンは外部の混乱の影響を受けやすくなったのです。

この数年間、世界のサプライチェーンはいくつかの重大な要因により甚大な打撃を受けてきました。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック

パンデミックは、2年超が経過した今も依然として世界のサプライチェーンを混乱させています。調査回答者の半数近くが、物流関連の遅延(45%)と生産材料の不足または遅延(48%)に起因する混乱を経験しています。さらに、生産材料価格の上昇に起因する混乱を経験した回答者は半数超(56%)に上ります。
2022年初めには、慎重ながらも楽観的な見通しが広がっていたにもかかわらず、今春、中国の主要な産業拠点で封鎖が続いたことは、新型コロナウイルス感染症、ひいては関連する政府の政策に伴う不確実性とリスクが近い将来軽減する可能性が低いことを浮き彫りにしました。こうした中、企業が行動を起こす必要性はさらに高まっています。

保護主義の台頭

パンデミック以外にも、国内産業を奨励し、国境をまたぐ商品や資本の流れを妨げる政府の政策が、グローバルサプライチェーンに対するリスクになっています。国家的な配慮を要する産業や技術の定義を拡大した国も複数あり、外国直接投資の制限も拡大されています。
調査回答者の4分の1近く(24%)は、過去24カ月間に、新しい関税などの政府主導の貿易規制・制限のために自社の事業やサプライチェーンが深刻な影響を受け、事業やサプライヤーのロケーションの最適化を迫られていると述べています。これは自国に近い場所への移転が進むことを意味しています。また、パンデミックのために物流が混乱する中、サプライチェーンが短縮化すれば、それにより大きなメリットが得られることにもなります。

ウクライナ情勢

ウクライナを巡る情勢により多くの人々が深刻な状況にありますが、それにとどまらずエネルギーや原材料のコスト増加、地域産業の荒廃、サイバー攻撃脅威の増大など、世界のサプライチェーンに直接的な影響を及ぼしています。また、企業が新たな制裁措置への対処に追われ、既存のビジネス関係への監視が強まる中、事業運営の複雑さも増しています。
間接的な影響として、ロシアに対して実施されている一連の政策措置や、通常に近い関係を維持している国(中国やインドなど)に対して二次的制裁が実施される可能性を踏まえ、各国が既存のサプライチェーンを選択的に再構築し、同様の対抗措置に備えて自国と国内産業のために予防措置を講ずることも考えられます。同様に、そのような国に事業拠点やサプライヤーを持つ外国企業は、これらの資産や関係が突然失われたり、損失が長期化したりする可能性を検討し、緊急時対応計画を策定する必要があります。

低コスト国における賃金インフレ

この数年間、一部の低コスト国では、他の地域よりも速いペースで賃金が上昇しています。2020年、事業会社は欧米での緩やかな変化に比べ、中国などで労働コストの急上昇を経験しました。中国では複数の省が最低賃金を引き上げており、人民元が比較的堅調に推移しているため、このトレンドは当面継続するとみられます。これを受け、中国で事業を行っている一部の企業は生産設備を移転しましたが、他の要因によって労働コスト上昇が十分に相殺されなければ、この傾向は継続する可能性があります。

 

第2章

車を積み込む大型ロールオンロールオフ貨物船を上空から撮影した写真
(Chapter breaker)
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第2章

グローバルサプライチェーンのモデルを再考する

EY Industrial Supply Chain Surveyの回答者は、変革を進めることでディスラプションに立ち向かっています。

EY Industrial Supply Chain Surveyの結果から、企業がディスラプションに対処するため、グローバルサプライチェーンの変革をすでに進めていることが明らかになりました。現行のサプライチェーンの大幅な再構築は進んでおり、回答者の53%が、過去24カ月間に事業の一部のニアショアまたはリショアへの取り組みを完了したと述べています。また、44%が、今後24カ月以内に新規または追加でニアショアリングを計画していると回答しています。地理的分散を進めリスクを軽減するために、これまで事業を行っていなかった国または複数の国で、過去24カ月間に、事業移転ではなく新たに事業を開始した回答者は57%に上り、さらに53%が今後24カ月以内に事業を開始する計画です。

レジリエンス増強に向けた歩み

53%

過去24カ月間に事業のニアショアまたはリショアに向けた取り組みを行ったと回答した事業会社の割合。

サプライヤー基盤の変更はさらに進んでいます。自社が過去24カ月間にこの領域で大きな変更を実施したと述べた回答者は62%、今後24カ月以内に大きな変更を計画していると述べた回答者は55%に上ります。これらの企業にとって、多角化を進め、顧客との距離を縮めることは重要な課題です。また、回答者はサプライヤーの数(77%)とサプライヤーが所在する国の数(63%)を拡大していると述べています。さらに、これらの変更により、サプライヤーの事業地が自社の事業地(55%)と顧客(47%)に近づいたと述べた回答者が大きな割合を占めました。

レジリエンス増強に向けた歩み

62%

過去24カ月間にサプライヤー基盤の大きな変更を行ったと回答した事業会社の割合。

これらの変更は、少なくとも短期的にはコスト削減を犠牲にして、レジリエンスを向上させているように見えるかもしれません。そのような行動を実施または計画した回答者の60%近くが、その結果、短期的(22%)または長期的(37%)にコストが増加すると予想しています。しかし、多くの企業は同時に、労働コスト削減のためのロボットや自動化への投資(58%)、一時的または永続的な値上げ(41%/40%)、その他の効率改善策やコスト削減策(37%)など、影響を相殺するためのさまざまな対策を計画しています。

修理中のコンテナ船の航空写真
(Chapter breaker)
3

第3章

各地域・セクターごとに異なるアプローチ

3つの地域と4つのセクターを取り上げ、企業の対応が特定の要因にどのように影響されるのかを明らかにします。

サプライチェーンに対する逆風とその対策の多くについては、地域差がなく共通していますが、明らかな違いもいくつか見られます。相違をもたらす要因には、グローバルサプライチェーンにおいて各地域がスタート地点なのか目的地なのかといった位置付け、政府の政策、および現行のオフショア戦略の違いなどが挙げられます。

北米

パンデミックに関連して生じている目下の混乱への対応として、北米の事業会社は、複雑さを軽減し遅延を緩和するために、自国の近くへの生産拠点の移転とサプライヤーの変更を始めました。この動きは、国内生産・調達を促進する米国政府の支援によって加速しています。

例えば、いくつかの主要な米国および海外の自動車メーカーは、電気自動車(EV)のバッテリー製造工場への大規模な投資を発表するとともに、米国政府の政策支援を受けて、より重要な原材料の国内調達に取り組んでいます。これは、将来EVが普及するためには、顧客により近く、特に中国に関連する貿易問題の影響を受けないサプライチェーンが必要となるという予測を反映しています。最近大手工業製品メーカーもサプライチェーンの短縮やリスクの軽減、北米市場に近い立地を求めて、米国とメキシコへの投資を行うと発表しました。

EYの調査のさまざまな事例からは、幅広いトレンドが見てとれます。米国の回答者の過半数(52%)が、過去24カ月間に事業のニアショアまたはリショアへの取り組みを実施したと述べています。サプライヤー基盤の変更はさらに進んでおり、過去24カ月間に自社がこの領域で大きな変更を行ったと述べた米国の回答者は60%に上ります。

極めて重要である米中関係の先行きが不透明なことから、このような全体的なトレンドは継続するとみられます。いくつかの明るい兆候(中国製品に対する関税免除の一部を復活させるというバイデン政権の最近の決定など)も、経済の再構築が継続するという予測を覆すほどの根拠にはなっていません。この点は、ウクライナ情勢に対する対応が分かれていることからも明らかであり、企業は現在のサプライチェーンの構造を慎重に評価し、過剰なリスクの特定と軽減を図ることが不可欠です。

米国の回答者

52%

過去24カ月間に事業のニアショアまたはリショアへの取り組みを行った回答者の割合。

米国の回答者

60%

過去24カ月間にサプライヤー基盤の大きな変更を行った回答者の割合。

欧州

パンデミック以前は、欧州の事業会社は一般的に、北米の事業会社に比較してサプライチェーンの変革にそれほど注力していませんでした。それは、ブレグジットは別として、欧州には米中関係ほどの地政学的緊張が存在せず、全体的に東欧とアジアの低コストの事業拠点やサプライヤーと近い関係にあるためです。しかし、パンデミック関連の諸問題の持続やEUの国境炭素税などの規制措置を受け、サプライチェーンの構造を再評価する欧州企業が増加しています。ウクライナ情勢に起因する突発的で広範囲に及ぶ影響により、このトレンドの勢いは増す一方であると思われます。

ドイツ、フランス、スペイン、イタリア、英国を本拠とする企業の回答を踏まえると、欧州でも米国と同様に事業会社の事業移転が進んでおり、過去24カ月間に事業のニアショアまたはリショアへの取り組みを実施した回答者は55%に上ります。また、欧州の回答者もサプライヤー基盤の変更を実施した割合が高く、61%が過去24カ月間に実施したと述べています。

しかし、これらの回答は2022年3月のものなので、ウクライナ情勢が企業の見通しに与える影響が十分に反映されているかについては疑問が残ります。部品の入手(ウクライナのサプライヤーから調達する自動車用ワイヤーハーネスの不足など)から物流(ロシアの空域閉鎖による欧州アジア間の輸送ルートの混乱など)に至るまで、あらゆるものに関してさまざまな課題が生じていることを考慮すると、欧州企業はサプライチェーン戦略の再考を迫られることが予想されます。

欧州の回答者

55%

過去24カ月間に事業のニアショアまたはリショアへの取り組みを行った回答者の割合。

欧州の回答者

61%

過去24カ月間にサプライヤー基盤の大きな変更を行った回答者の割合。

中国

中国では、競争力の高い産業構造、国内消費の急速な拡大、国内市場重視と輸出への依存低減を目指す双循環戦略を背景に、独立性を高め国内を重視する取り組みが進んでいます。第14次5カ年計画(2021年~2025年)の各政策では、地域の経済発展の促進に向けて、主要産業(集積回路、航空宇宙、ロボット工学、高度な電力機器、エンジニアリング機械など)の製造業集積地の育成が主題になっています。これらの集積地で製造された商品は、世界中の輸出市場で競争力を強化して「外部循環」を増強すると同時に「内部循環」、つまり国内消費を拡大するという目的の達成に貢献するものと思われます。

中国の企業は政府からのこのような要請に沿って行動しているとみられ、EYの調査に対する中国企業の回答でも、他の調査対象地域の企業と同等かそれ以上に事業や供給基盤の再編成が実施されていることが示唆されています。中国の回答者の65%が、過去24カ月間に事業のニアショアまたはリショアに向けた取り組みを行ったと述べています。また、75%が、この期間にサプライヤー基盤の大幅な変更を行ったと回答しました。

中国の回答者

65%

過去24カ月間に事業のニアショアまたはリショアへの取り組みを行った回答者の割合。

中国の回答者

75%

過去24カ月間にサプライヤー基盤の大きな変更を行った回答者の割合。

地政学的緊張の高まりをはじめとするさまざまな混乱を背景に、サプライチェーンの再構築は、特に、中国で事業を行う外国企業において注視すべきトレンドとしてさらに顕著になっています。例えば、最近ある米国の工業メーカーは、1,000人の従業人で25年間操業していた工場を閉鎖しましたが、原因は関税の問題であるとみられています。同様に、ある日本の電子部品メーカーは、サプライチェーンの中国集中を解消し、多様化を進めるために、タイに新しい生産施設を建設すると発表しました。

しかし、中国市場の規模と成長の側面を考慮して、外国企業が強力な国内企業との競争を目指すのであれば、「中国で、中国に向けた」事業拠点を持つ必要性があるため、完全なサプライチェーンの再構築を進めることはできません。むしろ、これまでの投資と市場アクセスを維持しつつサプライチェーンのレジリエンスを向上させるため、「チャイナプラスワン」戦略などのより慎重な対応を採用する外国企業が増加すると考えられます。

注目セクターの現状

このような強大な外部要因に立ち向かうため、さまざまな産業セクターの企業が、サプライチェーンの再構築と競争力の維持のため措置を講じていますが、そのアプローチは、バリューチェーンの相対的立地、業務の複雑さ、および必要とされる政治的配慮に応じて異なります。

  • 航空宇宙および防衛企業のサプライチェーンは、防衛技術の機微性のため、幾分先進的で、より短く、国内志向になっています。しかし、さらにレジリエンスを向上させるため、生産拠点を需要地に接近させる一方で、積層造形や自動化などの技術を導入して収益性を維持しています。
  • 自動車メーカーは、地元のサプライヤーから調達し、欧米市場に近い地域にバッテリー工場を建設することで、サプライチェーンを短縮しています。また、多数の自動車メーカーが、生産ラインを停止させないために、コストが増加するにもかかわらず、生産施設と原材料調達先の一部を中国から北米、欧州、中国以外のアジアにシフトしています。
  • 化学メーカーはサプライヤー基盤を多様化し、需要地に近い地域で生産能力を拡大しています。多くの大手多国籍企業は、合弁事業やパートナーシップ、生産能力拡大を通じて中国に多額の投資を行っており、国際市場と国内市場の両方で製品を販売するメーカーと並んで、中国全土で事業を展開しています。また、リスクを軽減するために、米国、インド、その他のアジアの国々で同時に生産能力を増強している企業もあります。
  • 多様化を実施する工業製品メーカーは、主要市場向けサプライチェーンの短縮と、サプライヤー基盤の多様化を目的とする投資を行っています。大企業は物流の簡素化のため、北米での工場新設を加速させています。また、一部の企業は、関税リスクの低い市場に費用対効果の高い方法でアクセスするため、企業買収を模索しています。
夜のオンラインストアの商品倉庫を上から見た光景
(Chapter breaker)
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第4章

未来のサプライチェーンの構築

産業界のリーダーは、以下の5つの主要優先事項に焦点を定めるべきです。

グローバルサプライチェーンは、超低コスト、ジャストインタイム配送、必要最小限の在庫を最優先する企業戦略からの転換に伴い劇的な変化を遂げつつあります。産業界のリーダーは、競争力を維持するために5つの主要な優先事項に焦点を定めてサプライチェーンを抜本的に変革し、将来に備える必要があります。 

1. サプライチェーン戦略を早急に見直す

グローバルな製品の流れ、課税モデル、ネットワークが展開している地域を慎重に評価し、新たなリスクと機会に対処できるようサプライチェーンを構築する。

2. サプライチェーン全体とサプライヤーネットワークのアジャイル化に向けて設計・構築をする

リアルタイムの監視とシナリオプランニングによって即応性を向上させる。チームやパートナーの思考を、指揮と統制から可視性と信頼にシフトさせる。

3.運転資本プロファイルを最適化する

サプライチェーンの再構築を契機として、アナリティクスと自動化を活用して運転資本プロファイルを大きく変革する。

4.サステナビリティを積極的に取り入れる

サプライヤーとパートナーに、循環経済の原則を通じて競争優位性と環境上の成果を向上させるよう働きかける。企業責任を組織のビジョンと目的に結び付ける。

5.「デジタル化を実施している」から「デジタルな存在である」に移行する

効率性だけに焦点を当てるのではなく、新しい収益源をもたらすサプライチェーン技術を導入する。デジタル技術を持った人材のギャップを解消し、新たに生じるデジタル課税の問題に対処する。

今起こっているサプライチェーンの進化は、それに先立つグローバリゼーションの波と同じく、数十年にわたって広がり、地域やセクターによって異なっていくと思われます。しかし、この変革が世界中で確立されたサプライチェーンモデルを急激に変容させる可能性があることは明らかです。外部要因の圧倒的な影響が世界中の国々に及んでいる中、事業会社はこれを踏まえ、変化が押し寄せつつあること、またそれにより勝者と敗者が生まれるであろうことを甘受する必要があります。

本稿の作成に当たり、EY Americas Global Development Lead AM&M Origination and Infrastructure、Joe Gaynor、および、EY Global AM&M Senior Analyst, Knowledge、Christian Hainzに深く感謝の意を表します。

サマリー

一部の企業が製造設備の海外移転と国際的なサプライヤーネットワークの構築に多額の投資を行ってきたことを考えると、サプライチェーンの再構築や変革には多額の費用を要する可能性があります。しかし、これは企業が競争力を維持するために、重要であり必要な取り組みとなります。

この記事について

執筆者
Claudio Knizek

EY-Parthenon Global Advanced Manufacturing & Mobility Leader

Experienced leader passionate about driving value creation through large-scale transformations and operational improvements. Outdoors fan. History buff. Husband and father of two.

Sven Dharmani

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Passionate about transforming supply chains. Problem solver. Curious and collaborative. Avid traveler, scuba diver and car enthusiast.