GloBEモデルルールは、10章から構成され、第1章から第5章において基本的な課税の仕組みとして、第1章においてGloBEルールの対象となる企業を特定し、第3章から第5章において追加課税額を計算し、第2章において追加課税額を支払う事業体と支払うべき金額の特定について定めています。
追加課税額を算定するために、まず財務会計上の純利益に一定の調整を加えて、GloBE所得を算定します。
GloBE所得=財務会計上の純利益(損失)
±連結決算の会計基準との永久差異の調整
±対象税金や永久差異項目等の調整
±減損会計等納税者の選択による調整
次に財務会計上の税金費用に一定の調整を加えて、調整後対象税金を算定します。
調整後対象税金=財務会計上の税金費用
±対象税金に対する加算・減算調整
±合計繰延税金調整額
±資本直入等に計上される対象税金の調整
一般的に、財務会計上の税金費用と税務申告上の税額には永久差異と一時差異があるとされていますが、永久差異については、GloBE所得の算定過程において、一時差異は対象税額の算定過程において繰延税金資産・負債アプローチによって調整されます。合計繰延税金調整額については、財務会計上の繰延税金費用を基に、5年以内に解消されない一定の繰延税金負債に関する補正もしくは除外選択(一定の長期性繰延税金負債については補正の対象外)や適用税率を15%に修正すること等、複雑な調整計算が求められています。
GloBE所得と調整後対象税額を国・地域別に集計し、国・地域別の実効税率を計算することにより、追加課税額を算定します(<図1>参照)。