第2の柱は、国ごとにミニマムタックスを下回る場合に、親会社にトップアップ課税を課す所得合算ルール(IIR)と、IIRにより課税されなかった場合に支払いについて損金算入を認めない軽課税支払ルール(UTPR)からなるGloBEルール、および租税条約の特典否認に関する課税対象ルール(STTR)の二つの要素から構成されています。
GloBEルールは、国別報告書(CbCR)と同様に直近の事業年度におけるグループ全体の連結売上高合計が7億5,000万ユーロ以上の多国籍企業に適用されます。UTPRは、国際的な事業活動が初期段階にある多国籍企業(国外の有形資産が最大5,000万ユーロまで、および5カ国以下の事業活動)については適用対象とされてから5年間は除外されます。多国籍企業グループの最上位が投資ファンド、年金基金、政府系企業、非営利法人、国際機関である場合、GloBEルールの適用が免除されます。
10月の声明においてIIRとUTPRにおけるミニマムタックスの税率は15%とされました。GloBEのトップアップ課税は、対象税額および財務会計上の所得への調整を反映し、国レベルで決定されます。米国のGILTIとの共存についても検討中です。
実態のある所得に関するカーブアウトでは、初年度は有形資産の簿価の8%と給与の10%が除外され、10年間の移行期間終了後は、給与および有形資産の帳簿価額の5%が除外されることになります。
トップアップ課税を課す権利は、分割保有(split ownership)を加味したトップダウンアプローチにて割り当てられます。売上高が1,000万ユーロ未満、利益が100万ユーロ未満の国地域に対しては、デミニマス基準に基づく除外規定が設けられています。
STTRの適用に使用されるミニマム税率は9%となり、利子、使用料およびその他特定の支払に対する名目税率がSTTRのミニマム税率を下回る場合に、差額が徴収されます。STTRは、GloBEルールに優先適用されます。