さらに、「将来キャッシュフロー」(≒「財務」)はROICツリー等を用いることで財務KPIに因数分解を実施
この2つのアプローチは、企業価値の測定という目的においては、市場が正しければ、中長期的には収斂するものと考えられます。
EYのESGモデルでは、この2つのアプローチでの対応が可能です。具体的には、ESG KPI(説明変数)とROICまたはROE、PBRそして資本コスト等(目的変数)との間にどのような関係があるのかを定量的に解析します。特にEYのESGモデルの特長は、機械学習を利用してESG KPI(説明変数)とROICまたはROE、PBRそして資本コスト等(目的変数)との間の非線形な関係を見つけることが可能である点にあります。こういった非線形な関係の解析がESGモデルにおいて重要と言える理由は、ESG KPIの増減が引き起こすPBR等の目的変数への変化の閾値(しきいち)を明確にすることができ、それにより経営戦略としてのESG KPIの適切な目標水準の特定が可能となるためです。
逆ROICツリーとESG KPIとのひもづけイメージ
ESG KPI(説明変数)と企業価値またはPBR等(目的変数)との関係(直接的な企業価値との関係)、ESG KPI(説明変数)と逆ROICツリーで因数分解した各項目(目的変数)との関係(間接的な企業価値への関係)を分析します(<図2>参照)。