インタビューに添えて
くしくも本インタビューが行われた前日である2024年4月16日に、国土交通省からI-Construction2.0が公表されました。社会資本整備を担う建設業の持続可能性が危ぶまれている中、日本政府としても座視できる状況ではなく、2016年に公表されたI-Constructionで掲げられた取り組みをさらに深化させています。
2.0では今までの取り組みも総括されており、2021年度は2015年度に比べて生産性が9.2%向上し、当初目標が2025年度までに2割の向上ですからほぼ想定通りの進捗と言えそうです。
2.0では、施工、データ連携、施工管理等の場面におけるオートメーション化の推進が掲げられており、2040年までに2023年度比1.5倍以上の労働生産性向上を目指しています。
これらの領域における建設DX研究所の会員企業がまさに活躍できるフィールドであり、今後建設業界での飛躍的な活躍を期待したいところです。
一方で、ここ数年建設業の生産性は向上してきましたが、建設業界は重層下請け構造と呼ばれるほど裾野が広く、3次、4次と下層になるほどデジタルツールの活用が遅れがちです。また、業界全体の生産性を高めるために各種の行政手続き、官公庁を始めとする施主との協議におけるデジタルツールの積極的な活用も同時に推し進めることも求められるでしょう。
1.5倍という目標に甘んじることなくさらに先進諸外国の水準に達するためには、業界全体、省庁市区町村の垣根を越えた取り組みが必要であり、私共EYはその一助となるべく活動してまいります。
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サマリー
日本のインフラを維持するという重要な役割を担う建設業界。人手不足から来る課題を解決しなければ、その影響はやがて国民生活全体に及びます。中小事業者のDXをいかに推進していくか。そのための方法を官民一体となって考えていく必要があります。