EYは、テクノロジーの活用を中心に据えた、数年にわたる監査変革プログラムの一環として、新たなテクノロジーケイパビリティ並びにEYのプロフェッショナルを対象とした「AIアシュアランスフレームワーク」をリリースしたことを発表いたします。また、本展開をサポートするために約9,000人のEYテクノロジーリスクのプロフェッショナルが、アシュアランスサービスラインに加わる予定です。
今回発表された新たなテクノロジーは、アシュアランスサービスのケイパビリティを強化し、監査・保証サービスの品質をさらに向上させることを目指しています。これにより、企業の財務、サステナビリティ、テクノロジーリスクに関連するアシュアランスサービスの知見が一層深まり、急速に進化し複雑化するビジネス環境での成功に向けて、企業の意思決定者へのサポートが可能になります。
今回のアップデートには、ワシントンDCで開催されたEY年次「グローバル・アシュアランス・テクノロジー・キーノート(Global Assurance Technology Keynote)」会議で発表された、25以上の新しいアシュアランステクノロジーのケイパビリティのリリースが含まれています。この会議には、EYのクライアントの皆様、アライアンスのパートナー企業、および先端テクノロジーに精通したテクノロジストが出席し、EYが数年にわたり10億米ドルを投資して開発している次世代のアシュアランス・テクノロジー・プラットフォームの一環として、新たなテクノロジーのリリースや主要なパイロットプロジェクトのプレビューを行いました。
EYは、上記の投資プログラムにより、テクノロジーケイパビリティを一つのシームレスなプラットフォームに統合すると共に、次世代のデータアクセス機能、高度なアナリティクス、AI、並びに洗練されたユーザーエクスペリエンスによってトランスフォーメーションを加速させていきます。EYが今回発表した新テクノロジーは、EYによる監査の提供だけでなく、財務会計アドバイザリーサービス(FAAS)、気候変動・サステナビリティ・サービス(CCaSS)、フォレンジック・アンド・インテグリティ・サービス(Forensic & Integrity Services)、テクノロジーリスクサービスを含む、その他のアシュアランスサービスの提供もサポートします。
今回のテクノロジーの最新リリースには、財務諸表に対する監査手続において世界中のEYメンバーをサポートする機能など、AIを活用した追加機能の導入が含まれています。EYはまた、受賞歴のあるEY.ai.EYQエコシステムと次世代アシュアランス・テクノロジー・プラットフォームの統合に向けて、生成AIのパイロット運用を開始しています。これらの機能は、生成AIを駆使して、会計監査に関する専門的なトピックの検索や要約を行い、財務諸表の開示検証に関する推奨事項の提案を通して監査人をサポートします。これにより、監査のスピードと品質が向上し、監査人はより複雑で、深い判断力が求められる業務に集中することが可能になります。
生成AIのような先端テクノロジーがもたらす影響に対処していくためには、適切なガバナンスの構築、リスク管理体制の強化、規制とコンプライアンスの課題への適切な対応が求められます。EYとしてもこれらの要求事項を満たすガイダンスを策定する必要がありました。
上記背景の下、EYは、監査および保証業務に関する基準の進化に即した形で、企業のAI活用の影響も考慮した「AIアシュアランスフレームワーク」を構築し、EYアシュアランスのすべてのプロフェッショナルに向けてリリースしました。このフレームワークには、財務報告プロセスでどのようにAIが適用されているかの考察が含まれ、企業や組織が関連リスクを管理するために実施するフレームワークや内部統制を考慮に入れています。AIアシュアランスフレームワークは、EYアシュアランスの130,000人以上のプロフェッショナルにグローバルレベルで展開されています。
EYは、このフレームワークのリリースと並行して新たなAI関連サービスの開発も進めています。これには、AI関連サービスの設計、テスト、および初期導入が含まれ、基礎となるデータモデルの堅牢性に対処することなどを目的としています。この取り組みを通して、EYは、企業が先端テクノロジーに対する信頼を構築しながら、当該テクノロジーの取得、開発、実装、利用に取り組むことができるよう支援します。
企業がデジタル化を進めるにつれて、先端テクノロジーは新たな機会を創出すると同時に新たなリスクも生み出しています。自社テクノロジーへの信頼の構築に取り組む企業を支援するために、EYによる高品質な監査やその他の保証業務には、ますます専門的なテクノロジースキルが求められています。
この要求に応えるために、約9,000人のEYテクノロジーリスクのプロフェッショナルが、EYアシュアランスに加わる予定です。EYとしてこれまで積み上げてきたテクノロジーリスクのプロフェッショナルの知見をアシュアランスにおいて活用することで、監査品質は一層強化され、また、提供可能なサービスポートフォリオも拡充されます。
今回のアップデートによって、引き続きEYアシュアランスのプロフェッショナルのスキルは向上し、変革が推進され、EYは企業の財務、会計、サステナビリティ、テクノロジーリスクのアジェンダについてさらに深い洞察を提供することが可能になります。
以上のように、新たなアシュアランステクノロジーのケイパビリティとAIアシュアランスフレームワークは、数年にわたる監査の変革プロセスの一部を構成するものであり、EYのケイパビリティ強化と監査品質の一層の向上を通じて、EYのサービスが高い付加価値を提供し続けていくことに繋がります。
EYグローバル・アシュアランス・デジタルリーダーのMarc Jeschonneckのコメント:
「デジタル化の進むエコシステムを通じて成長し進化する組織にとって、テクノロジーへの信頼を高めることは非常に重要です。EYは人材とテクノロジーに投資することで、監査品質の更なる向上や、卓越したアシュアランス関連サービスの創出に寄与しています」
EYテクノロジーリスクリーダーJames Martinのコメント:
「今回の取り組みにより、EYテクノロジーリスクをEYアシュアランスのサービスに加えることで、EYの能力が強化され、監査品質が一層向上します。約9,000人のITのプロフェッショナルが、テクノロジーの使用から生じるリスクを特定、評価、軽減するためにアシュアランスの各組織をサポートする予定です」
EYグローバル・アシュアランスイノベーション&エマージングテクノロジー・リーダーPaul Goodhewのコメント:
「AIの影響により、企業や組織に新たなリスクと機会がもたらされています。EYは、アシュアランス関連サービスの提供をサポートするために、AIを積極的に活用しています。これにより、EYのクライアントがAIという先端テクノロジーに対する信頼を構築した上で利用できるように、EYのAI活用の経験をクライアントと共有しています」
EY Japan アシュアランス部門 デジタルリーダーの加藤 信彦のコメント:
「EY新日本は、これまでデータアナリティクスにAI機械学習を活用してきましたが、今回リリースされた生成AIを含む最先端のテクノロジーを監査プラットフォームに組み込むことで、監査品質の向上と付加価値を提供するデジタル監査サービス『Smart Audit』を一歩進めることが可能となりました。さらに、新しいAIアシュアランスフレームワークの導入とIT専門家チームの強化により、クライアントのDXが進む中で生じる新たなリスクを先取りし、インサイトとして提供するデジタル保証サービス『Digital Trust』への道も開かれました。これら新しいアシュアランステクノロジーのケイパビリティを導入することで、社会の期待の先にある監査の未来『Assurance4.0』の実現に向けた取り組みを着実に進めてまいります」
※本ニュースリリースは、2024年5月15日(現地時間)にEYが発表したニュースリリースを翻訳し、日本の見解を加えたものです。英語の原文と翻訳内容に相違がある場合には原文が優先されます。
英語版ニュースリリース:
EY Assurance releases new technology capabilities, strengthening confidence and trust