Japan tax alert 2021年7月1日号
はじめに
令和3年6月25日、研究開発税制に関する租税特別措置法基本通達の一部改正が公表され、試験研究の意義、試験研究に含まれないもの、研究開発費として損金経理した金額の範囲等が示されました。
改正概要
1)新設された研究開発税制に関する通達*
- 試験研究の意義(措置法通達42の4(1)-1)
試験研究の意義が通達に新設され、その意義が明確化されました。 - 試験研究に含まれないもの(措置法通達42の4(1)-2)
試験研究に含まれないものの範囲が具体的に15項目例示されています。これまでは「国税庁Q&A研究開発減税(研究開発促進税制)について」において試験研究に該当しない活動が示されていましたが、本通達新設に伴い同Q&Aは国税庁HPから削除されています。 - 研究開発費として損金経理をした金額の範囲(措置法通達42の4(1)-3))
会計上、研究開発費以外の科目で経理されたものであっても、法人の財務諸表の注記において研究開発費の総額に含まれていることが明らかなものが含まれることとされました。
*本通達の新設に関連して、法人税基本通達のソフトウエアに関する以下の通達についても改正が行われ、内容の明確化が図られています。
① ソフトウエアの取得価額に算入しないことができる費用(法基通7-3-15の3)
② ソフトウエアに係る資本的支出と修繕費(法基通7-8-6の2)
実務への影響
今回の通達改正で試験研究の範囲が示されたことに伴い、令和3年度税制改正で拡充された自社利用ソフトウエア等の取得価額に含まれる試験研究費について確認するとともに、従来から研究開発税制の対象としてきた試験研究費の集計範囲について再検討する必要があります。
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