第1部
各事業が長期的価値をどのようにもたらすか、明確な視点を持つ
ダイベストメントは、短期の財務要因に基づく短期的な意思決定ではなく、長期的価値につながる結果を⽣み出す必要があります。
主な調査結果
44%のCEOは、取締役会や主要なステークホルダーに対してダイベストメントの理論的根拠を説明するのは難しいと述べている。
59%
のCEOは、中核事業と⾮中核事業をどう識別するかについて、より良い判断基準を⽰す必要があると考えている。
ダイベストメント戦略における最優先の検討課題:
- 各事業のマーケットと潜在的な需要の伸び、競争優位性、会社のビジョンとの整合性、長期的価値創造の将来性について、財務面、顧客、⼈的、社会的な観点から明確な視点を持つ。
- ダイベストメントを遂行することで、存続事業の新たな成⻑の糧となるテクノロジー、新製品、地域への投資を加速させ、結果顧客のニーズにより適合させることができる。
- 企業戦略に合致しない事業は業績が好調であっても、他で活⽤した方がより良い結果を⽣むことが⾒込まれ、そのために資本を十分に活⽤できていない可能性がある。これを明らかにすることは、事業をカーブアウトするか、あるいはスピンオフするか、その決定の背後に存在するステークホルダーを結集する上で役⽴つ。
成功するダイベストメント戦略をCEOが策定する方法について詳しく内容を知る(英語版のみ)。
第2部
ポートフォリオレビューを活用して戦略的ダイベストメントの意思決定を行う
ポートフォリオは、将来的なカーブアウトの決定に合わせ、 事業部門レベルでレビューを行う必要があります。
主な調査結果
56%のグローバル企業のCFOが、過去3年間にKPIの順位付けを変更したと述べている。
37%
の企業は、該当するセクターでのアクティビスト活動が、過去12カ月間の戦略的代替案の見直しを促すきっかけになったと述べている。
ポートフォリオレビューにおける最優先の検討課題:
- 各事業部⾨が企業戦略をどう補完し、成⻑性と投下資本利益率によって株主総利回りにどう寄与するか、といった視点に関連する主要な指標を⽤いてポートフォリオを綿密に見直す。
- 投資が十分でない事業部門の価値は急速に下落する恐れがあるため、その事業の再編・売却の必要性が明確になった場合は⾏動に移す。
- アセットライト(資産圧縮)アプローチ、段階的イグジット、戦略的パートナーとの合弁事業など、戦略的な代替案を評価する。
CFOはどのようにポートフォリオレビューの水準を上げ、戦略的ダイベストメントの意思決定につなげればよいのかについて詳しく内容を知る(英語版のみ)。
第3部
ダイベストメントを活用して存続事業を見直す
⼤規模あるいは⾼難易度のダイベストメントの実施は、存続事業を見直す良い機会です。 その背後では組織は変化の態勢を整えています。
主な調査結果
56%は、ダイベストメントプロセスの早い段階で存続事業の再編成に焦点を絞るべきであったと述べている。
60%
の経営層は、単なるコスト削減にとどまらない、存続事業の事業改善の取り組みを十分に行わなかったと回答。
存続事業の成長機会における最優先の検討課題:
- 組織は既に変化に向けた態勢を整え、事業運営モデルの見直しを⾏っていることから、ダイベストメントは現状を打破し、将来を⾒据えて存続事業を見直す良いきっかけとなる。
- 目標とビジョンの再評価にあたっては、製品、市場、バリューチェーン、機能面、ハイブリッドモデルのいずれかに焦点を絞るため、事業のアーキタイプ(原型となるもの)の再設計が必要になる場合がある。
- 新たなアーキタイプを⽀えるには、事業運営モデルの変容が求められる。プロセス、システム、資産、人的リソース、サードパーティーベンダーなど、あらゆる観点で課題が⽣じる。
なぜダイベストメントはCEOが存続事業を見直すきっかけになるのかについて詳しく内容を知る(英語版のみ)。
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サマリー
⻑期を⾒据えた戦略に沿い、事業再編・売却という⼤胆な決断を⾏うことで、CEOは継続的に事業を再構築し、ステークホルダーへの説明責任を果たすことができます。詳細については、EYの2021年度版「企業のダイベストメントに関する意識調査」(PDF・英語版のみ)をダウンロードしてご覧ください。