パンデミックにより、家庭ではテクノロジーへの依存が高まりました。その一方で、新たな問題が消費者とサービスプロバイダーとの関係に、さらに大きな緊張をもたらしています。EYの調査「Decoding the digital home(デジタルホームを解き明かす)」最新版では、消費者の半数超がブロードバンドプロバイダーや有料テレビプロバイダーの値上げの可能性について懸念していることが明らかになりました。さらに、38%は、家族がオンライン上で有害コンテンツを目にする可能性があることを憂慮しています。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生以降、インターネット接続とコンテンツの必要性は、明らかに増大してきました。しかし、値上げを巡るこのような懸念は、オンラインの安全性とデータプライバシーに対する危惧の高まりと相まって、インターネット接続とコンテンツに対する需要の減少につながる恐れがあります。
したがって、サービスプロバイダーにとって、説得力のある価値提案と、可能な限り円滑で直感的な顧客体験を提供できることが不可欠です。また、データプライバシーと保護認証情報に対する消費者の信頼を高めることも重要です。つまり、前例のない状況の中で消費者がプロバイダーを選択する際、このような資質を備えた企業は非常に有利になるのです。
これを踏まえ、今年の調査から得られた6つの主要な実践的インサイトを以下に挙げます。
1. デジタルな家庭は要求水準が高く、質重視
確実な接続性と優れたコンテンツに対する需要が根強いことは明らかです。10世帯中4世帯超が、パンデミックによりインターネット接続、テレビ、動画配信サービスへのニーズが高まったと回答しています。興味深いことに、43%がこのようなニーズは存続すると予想しています。しかし、生活費の危機的な上昇のため不安が生じています。半数超の世帯がブロードバンドプロバイダー(60%)と有料テレビプロバイダー(55%)が月次サブスクリプション料金を値上げするのではないかと懸念しています。10世帯中4世帯超が、すでにこれらのサービスへの支出が過大になっていること、または、最も良い条件が提供されていないことを憂慮しています。
価値に対して懸念を持っているにもかかわらず、家庭では新しい、より良いエクスペリエンスを求めています。37%がコロナ禍のために新しいデジタルエクスペリエンスへの関心が高まったと回答しています。また、26%が、メタバースなどのインターネット上の没入型エクスペリエンスの新しい可能性を受け入れると回答しています。