2023年1月31日
M&A・組織再編等トランザクションのプロジェクト管理にデジタル・トランスフォーメーション(DX)を実現

M&A・組織再編等トランザクションのプロジェクト管理にデジタル・トランスフォーメーション(DX)を実現

執筆者 EY ストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社

複合的サービスを提供するプロフェッショナル・サービス・ファーム

EY Strategy and Consulting Co., Ltd.

2023年1月31日

M&A・組織再編等のトランザクションのプロジェクト管理をデジタルツール(EY Capital Edge)を活用しデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現することで可視化/自動化し効率的・効果的なプロジェクト管理を目指します。

本稿の執筆者

EYストラテジー・アンド・コンサルティング(株) ストラテジー・アンド・トランザクション


長谷 健一

クロスボーダーM&A案件のPMO専門家。日系企業のみならず外資系企業のM&A・組織再編等のトランザクション中心に、戦略検討から実行まで多くのPMI・PMO支援業務に従事。2017~19年にかけてEYシドニー駐在。EYストラテジー・アンド・コンサルティング(株) ディレクター。


牛島 希

外資系/会計系コンサルティング会社を経て現職。国内/クロスボーダーM&A・組織再編等におけるトランザクションのPMO支援業務等に主に従事。EY Capital Edgeによるトランザクション関連業務のDX推進に従事。EYストラテジー・アンド・コンサルティング(株) マネージャー。

要点
  • M&A・組織再編等のトランザクションにおいては、PMI等プロセスのプロジェクト管理が複雑で、本来の目的である業務・システム統合および効果創出のためのシナジー検討に時間をかけることができていないと悩んでいるPMO担当者を最近よく見かける。
  • プロジェクト管理はデジタルで効率化/自動化可能だ。プロジェクト管理ツール(EY Capital Edge)によりPMOのデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現し効率的な管理が可能となる。

Ⅰ トランザクションプロジェクトのPMOにおいてDXが求められる背景

国内・海外をまたぐクロスボーダーのM&A(企業の買収・提携等)およびグローバル企業の組織再編のトランザクションにおいては、海外と日本との時差の存在、対象会社の海外子会社を含めた利害関係者、および関連拠点が多く多数のステークホルダーが存在し、プロジェクト管理が複雑化しています。

特にM&AのPMI(ポスト・マージャー・インテグレーション)においては、より効率的かつ効果的なPMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)による管理が求められます。PMOメンバーが、表計算ソフトで作成された多数の分科会のスケジュール表、課題管理表をEメールベースでとりまとめ、前回・今回集計版のバージョンを管理しステータスレポートの作成・更新に追われて、本来の買収後のシナジー等の効果創出のための検討に時間をとれていないといったことが多いのではないでしょうか。

クロスボーダートランザクションをいかに効率的に管理・推進できるかがプロジェクトを成功させるカギになると言え、PMOの現場にもデジタルトランフォーメーション(DX)が求められています。

PMOのDXには、さまざまな手段がありますが、本稿では1つの例として、EYのソリューションであるEY Capital Edge(以下、CE)を活用し、DXが実現したプロジェクト事例を紹介します。

Ⅱ PMOのDXツール活用の事例

A社は、世界各国に事業を展開するグローバル企業です。複数事業・拠点を対象とした組織再編のトランザクションプロジェクトにおいて、事業統合以外にもHR、Finance、ITなど機能部門の統合に関する計画と実行を含むPMOのサポートを必要としていましたが、プロジェクトやステークホルダーが非常に多く、複雑なコラボレーションを迅速に実現する必要があることから、スプレッドシートによる管理では非効率な状態にありました。

このような状況の中、CEの導入により、100人以上のユーザーと関連する2,000以上のタスクの管理を一元化しステータスを可視化、プロジェクト管理の効率化を行いました。主要なポイントは、以下の4つです。(<図1>参照)。

図1 プロジェクトステータス一元管理(イメージ)

① タイムリーな情報共有:一般的なビジネスアプリケーションソフトでの作業計画管理からCEへの移行により、クライアントおよびその他多数のアドバイザーチーム間での情報共有が同期し効果的なコラボレーションが実現

② データ変更履歴の可視化:プロジェクトの各種ステータス・進捗等のデータ変更履歴を表計算ソフトやプレゼンテーションソフトのファイルで追跡せず、CEにおけるデータ変更履歴機能の活用により、複数の分科会・多拠点・多関係者の更新状況を可視化

③ ワークプランとリスク/課題の一元管理:ワークプランとともに一元化された包括的なリスク/課題リストにより、項目をより効率的に管理/評価し、必要に応じて適切な利害関係者に問題提起しアクションに移すことが可能となった。

④ 進捗管理の効率化:一元化された情報の自動集計機能を用い、リアルタイムな情報を即時でステータスレポート生成。トップマネジメントに対し最新化された進捗状況およびリスク/課題の連携が可能となった。

実際のプロジェクトの現場では、更新されたドキュメントをチーム間でEメールに手作業で添付して回覧したり、面倒なステータスレポートを毎週作成したりするといった煩雑な管理業務から解放され、より重要な統合作業自体にチームの能力を集中することができ、各プロジェクトメンバーの作業効率が向上しました。

クライアントを含む本件プロジェクトチームからは「地域を超えたコラボレーションを可能にし、リアルタイムでのステータスレポートを促進するために、CEがプロジェクト管理を効率的に推進する上で非常に価値があった」「CEを一元的なプロジェクト管理ツールとして使用することで各チームのステータスの可視化が実現し、チーム間で容易にコラボレーションできた。非常に作業が進めやすくなった」などの声があがりました。

Ⅲ PMOのDXツールの一例としてのEY Capital Edgeのご紹介

EY Capital Edgeは、20年以上にわたる2,000以上のM&A・トランザクションのPMO支援実績と経験をもとに開発されたプロジェクト管理ツールで、特にクロスボーダー・トランザクションのプロジェクト管理業務を効率化するための機能を備えた、クラウドベースのコラボレーション・アナリティクス・ツールです(<図2>参照)。

図2 EY Capital Edge概念図(イメージ)

Ⅳ おわりに

M&A・組織再編等のトランザクションにおけるプロジェクト管理において、PMOのDXによる効率化が不可欠です。

デジタルツールを有効に活用することにより効率的なプロジェクト管理を実現し、PMOのリソースをトランザクションによる効果実現・目的達成のための各種施策検討・推進により多くの時間を割くことで、早期の効果実現・目的達成が可能となると言えます。

国内では、EY Capital Edge Japan Teamが中心になり、M&A・組織再編等各種トランザクションにおけるプロジェクトマネジメントのDX推進を支援する体制を構築しています。

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サマリー

M&A・組織再編等のトランザクションのプロジェクト管理をデジタルツール(EY Capital Edge)を活用しデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現することで可視化/自動化し効率的・効果的なプロジェクト管理を目指します。

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