クライアントの課題解決を通じて社会のサステナビリティ推進をサポートする
瀧澤: CCaSSは増員していますが、チーム体制はどのようになっていますか。
ゴウ:環境・労働安全衛生(EHS)デューデリジェンスには、もちろん専門的な知識を持った人がたくさんいます。最近、工場の現場でEHSマネジメントを実践し経験を積んだ人も加わりました。その他、サステナビリティの情報開示や第三者保証を提供する分野で活躍してきた人や、国連大学で生物多様性を専門に研究したメンバーもいます。非常に多様で多国籍のチームになっているのは楽しいですね。メンバーの半数が女性で、子育てしながら活躍されている点もチームの特徴と言えるかもしれません。また、私たちは、生物多様性という新しいテーマゆえ未知の領域が多く標準化されにくい仕事を、活発にディスカッションしながら進めています。多様なチームだからこそ、多様なテーマをやり切れると感じています。
瀧澤:監査にはきちんとしたルールがありますが、サステナビリティに関してはさまざまな手法がありますよね。
ゴウ:生物多様性は気候変動より複雑で、指標化もパフォーマンス評価も難しいですが、企業と一緒にディスカッションしながら勉強させていただいています。
瀧澤:今後どのようなことをしていきたいですか。
ゴウ:生物多様性に関する知識はまだ足りないと感じており、多くの企業をサポートしながら、生物多様性と事業の進め方の関連など、経験をさらに積んで学んでいきたいと考えています。また、サステナビリティに関しては、社会全体の意識が高まる一方で、サステナビリティ経営自体は現場の社員一人一人まで浸透しきれていないところがあると感じます。企業にすれば、さまざまな外部評価があり、開示規制も入ってきて、対応が追いついていないのが現状です。私たちは、企業の取り組みのリスクアセスメントや情報開示にとどまらず、経営と統合させた形で社員への浸透力を高めながら、ビジネス自体を変革させる支援をしていきたいと思っています。
最後に、気候変動や生物多様性という地球規模の問題は非常に複雑なため、効率的に解決することができません。CCaSSには気候変動の専門家も、気候変動・生物多様性ともに密接に関連する人権の専門家もいます。そうしたチームメンバーとともに、クライアントに対して包括的なソリューションを提供していきたいです。
瀧澤:CCaSSはまだ若い部署ながら、最近のニーズの高まりとともに急成長を遂げています。その一方で、人数の面で対応しきれていないのも事実です。その部分については、私自身も関わっている脱炭素化活動やDE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルーシブネス)の推進の中で、自社で達成できる数値の壁には常に悩まされています。そこをクライアントの課題解決という本業のビジネスを通して、間接的であれ、社会全体のサステナビリティ推進のサポートにつなげていけるように取り組んでいます。