- 2046年までに約96%の事業体で水道料金値上げの可能性(前回調査比2%増)
- 水道料金の値上げ率は全体平均で48%(前回調査比5%増)
- 料金値上げ率が高い事業体は北海道・中国・四国地方に多い(前回調査:北海道・東北・北陸地方に多い)
EY Japan(チェアパーソン 兼 CEO 貴田 守亮)と一般社団法人 水の安全保障戦略機構(代表理事:竹村 公太郎) は、3年ぶり4回目の共同研究結果である「人口減少時代の水道料金はどうなるのか?」(2024版)を発表します。
本研究結果は、現在の水道サービスを維持していくとした場合の、2046年までに想定される水道料金改定率を、最新の公表統計データを基に事業体別に作成したものです。これは2015年、2018年、2021年に続き、4回目の実施となります。
今回は、料金推計の改訂に加え、水道料金推計と経営指標等との関係性を分析しており、水道事業へ与える影響について考察を加えています。
国連の持続可能な開発目標(SDGs)の目標6には、「2030年までに、全ての人々の、安全で安価な飲料水の普遍的かつ衡平(こうへい)なアクセスを達成する」とあります。日本の水道普及率は現在、98.3%です。しかし、2021年から25年後の2046年にも、現在と同様に「安全で安価な飲料水」に普遍的かつ公平にアクセスできているとは限りません。
高い水道普及率の半面、日本は現在、水道事業の持続可能性の問題に直面しています。この課題にしっかりと目を向け、より良い未来への選択肢を模索し、実現に向けた取り組みを進めていく必要があります。
本研究結果を端緒に、水道事業経営の実態に関する理解が広がり、今後の水道事業経営の在り方について、事業者、住民(利用者)、そして住民の代表である議会の間において、個別事業体の実態を踏まえた健全かつ活発な議論が前進していくことを期待します。
また今年度から水道行政の所管が、水インフラを所管する国土交通省および環境保全を所管する環境省に統合(移管)されたことを契機に、水道事業の課題解決がより効果的に促進されることを期待します。
研究結果の詳細は、以下の資料をご覧ください。
「人口減少時代の水道料金はどうなるのか?(2024年版)」(PDF:2.2MB)
「人口減少時代の水道料金 全国推計 推計結果(2024年版)」(Excel:190KB)