EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 近藤 聡、以下EYSC)は、日本初※1となる、ブロックチェーンをサプライチェーンマネジメント※2に適用した特許を2020年9月に取得しました(特許第6764546号)(特許発明者:鈴木顕英、西山和磨、荻生泰之)。
本特許の特長は、企業の「機密情報」である在庫情報そのものではなく、在庫情報に基づき算出される「発注予定日の情報」を共有することで、データプライバシーを確保しながらサプライチェーンマネジメントを高度化できる点です。更に、ブロックチェーンを用いた「暗号化」による情報漏洩対策も併せて実現しています。
サプライチェーンマネジメントの高度化は古くからの経営課題ですが、昨今はSDGsへの対応の観点からも、いかに販売機会を逸することなく廃棄物(売れ残り)を削減させるか、すなわち適時適量に生産や販売を行えるかが一層重要になっています。本特許は、こうした社会的要請にも応えるものです。
EYストラテジー・アンド・コンサルティングのブロックチェーン・ビジネスリーダー荻生 泰之は次のように述べています。
「このたび弊社が考案した仕組みは、生産プロセスを伴う自動車、食品、アパレル、医薬品などの様々な産業において、適時・適品・適量な生産体制の確立に寄与します。具体的には、無駄のない生産体制の実現による川上企業の生産コストの削減と、労働者の負担軽減、販売機会確保と廃棄物削減の両立による川下企業の利潤最大化、環境負荷軽減といった効果が期待されます。この仕組みにより、資源の最適配分や、これまで背反する要素が大きかった環境と経済の両立の実現に向けた飛躍的な一歩を踏み出すことが可能になるでしょう」
今回の仕組みは、販売物流を手掛ける卸・流通業や製造業など幅広い業種が恩恵を受けるものです。
当社は本仕組みを通じたエコシステムの形成により、多数の企業が参画する高度なサプライチェーンマネジメント体制の確立に貢献することで、社会課題解決に取り組んでまいります。
※1 特許情報プラットフォームJ-PlatPatにおける弊社調べ
※2 サプライチェーンを構成する企業全体の欠品および在庫の双方を極小化することにむけた活動