健康増進のインフラをつくるための四つの柱
1. 健康長寿の指標
「健康とは何か」をよりよく定義付けすることができて初めて、「改善とは何か」についてのコンセンサスを得ることができます。政府と納税者が、実生活の中で新しいソリューションの利用を支援するのであれば、そのソリューションは双方が合意した改善結果をもたらすものであることが必要です。
2. データの新しい組み合わせ
主要な生物学的指標をモニターする新しいモバイルテクノロジーは、消費者の行動に抜本的で前向きな変化をもたらすと考えられます。今後は、遺伝子データやプロテオミクスデータをウエアラブル、環境センサー、TwitterやFacebookなどのソーシャル・ネットワーキング・サービスなどから集めた情報と結び付けて、特定の疾病のリスクや発病のタイミングを特定しやすくすることが重要になります。
3. インセンティブの連動
官民各組織の間には、健康長寿社会の目標や達成時期についてそれぞれ異なった動機付けがありますが、プラス面を捉えていくためには、インセンティブを連動させ、大きな枠組みでの「勝ち」を収めなければなりません。これを急速に進めていくための重要な要素として、さまざまなステークホルダーによるアライアンス構造が考えられます。このアライアンス構造では、ステークホルダーはあらかじめ設定されたお互いに有益なタイミングでの、パートナーシップへの参入および離脱が可能です。
4. 目的の共有
健康長寿社会の確立に向けたソリューションが、先進国の富裕層だけが享受できるものになってしまったら、それは「健全」でも、真の「解決策」でもありません。目的を共有するということは、健康長寿はぜいたく品などではなく、基本的権利であると認識することでもあるのです。