アジャイルファイナンス

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ビジネス環境が激変する中、CFOおよびファイナンス組織が企業の持続的成長を支えるためには、leanな組織を構築し、限られた人数で日々の業務を安定的にかつ継続的に推進しながら、高付加価値業務に携わっていくことが求められます。アジャイルファイナンスはさまざまなテクノロジーを活用しながら、経理部門の業務効率化・自動化、リモートワークの実現、業務品質の向上、ガバナンスの強化など、レジリエントな経理部門の構築をサポートします。

経理部門が置かれている現在の環境

CFO・ファイナンス組織の役割変化

M&Aを通じたグローバル化やESGへの対応など、企業が置かれたビジネス環境が変化する中で、社会的価値と経済的価値の両方の実現をリードしていくべく、CFOおよびファイナンス組織に求められる役割は、スコアキーパーからビジネスパートナーへとシフトしています。

働き方や人材面での変化

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)をきっかけとして、請求書業務におけるペーパーレス化や、経理部門におけるリモートワークなど柔軟な働き方の導入が加速しています。また、ベテラン社員が退職していく中で、決算繁忙期などにおける人海戦術での業務遂行は困難となりつつあり、加えて、若手社員の離職率も高く、経理部門は人材の流動化および定着難に直面しています。さらに、65歳以下の労働人口は減少の一途で、これまでと変わらない、あるいは事業規模の拡大によっては今以上の業務ボリュームを、将来的により少ない人数で経理部門は対応していく必要性に迫られています。

制度対応における変化

監査手続きや監査調書の作成が増える中、監査法人は限られた人員で監査業務を遅滞なく実施すべく、監査業務の効率化を目指してテクノロジーの活用を積極的に推進しており、デジタル監査の時代が到来しています。また、制度面においては、有価証券報告書においてTCFDなどに基づく気候関連情報の開示がスタートするなど非財務情報の開示拡充へ向けた動きが活発化している一方で四半期報告書の廃止が検討されるなど、外部(マーケット)へ向けた情報開示の在り方が変わろうとしています。経理部門はそうした監査のあり方や開示の在り方の変化に対応できる体制を構築していく必要があります。

EYが考える経理部門の将来像

企業の長期的価値創出を支えていくべく、CFOおよびファイナンス組織はビジネスパートナーとしての役割を期待されています。そうした役割を果たしていくためには、テクノロジーの力をうまく活用して、経理業務の自動化・効率化を図りながらアジャイルな経理組織を構築し、少ない工数・人員で業務を安定的に遂行していくことで余剰工数・人員を生み出し、それらを高付加価値業務へ振り向けていく必要があります。

※アジャイルな経理組織とは、Responsive(対応力)、Insightful(洞察力)、Efficient(効率性)の3つのケイパビリティーを兼ね備えた経理組織のことを指します

図1

アジャイルファイナンスの提供サービス

アジャイルファイナンスは、最新のテクノロジーを活用した経理部門の業務改革の支援や決算期統一などを通じた業績管理の精度向上など、より付加価値の高い業務が提供できるよう、経理部門の抱えるさまざまな課題の解決を支援します。

  • 1. リモート決算体制の構築

    決算業務支援プラットフォームといったテクノロジーを活用して、ブラックボックス化している業務の可視化や属人化している業務の効率化などを図り、リモート環境での決算業務や監査対応の実現へ向けた支援を提供します。

    • 決算業務効率化や業務集約化(SSC/BPO)の前提となる現状業務の分析・非効率業務の可視化
    • 基幹システムの周辺業務、債権債務照合などの効率化支援
    • 内部監査業務・外部監査対応の効率化、ガバナンス強化支援
  • 2. 経理業務プロセスの高度化

    AI-OCRやRPAなどのテクノロジーを活用して、決算業務だけでなく、Procure to Pay(調達から支払)やOrder to Cash(注文から入金)といった債権・債務領域の業務プロセスを含めて、局所的ではなく、エンド・ツー・エンドで徹底的に業務の自動化・省力化を図り、ファイナンス部門の役割進化に向けた余力創出を支援します。

    • 現状業務分析によるボトルネックの特定と最適な打ち手の策定
    • 法令・制度準拠や先行事例を考慮した最適なペーパーレスへの移行支援
    • 導入効果や実現性、導入負荷を検証するための、トライアル(POC)の実施支援
  • 3. 非財務情報開示の高度化

    投資家などのステークホルダーが企業の非財務情報の開示を強く求める中、非財務情報のデータを企業グループ全体で効率的に収集可能な体制・プロセスの構築や非財務情報に関する内部統制などのガバナンスの強化を支援します。

    • ベンチマーク企業の開示分析による開示項目の検討支援
    • 開示項目の基礎データを効果的かつ効率的に収集するためのプロセスの構築・改善支援
    • 非財務情報開示に係る決算財務報告プロセスの内部統制の整備・運用に係る支援
  • 4. 経営管理の精度向上

    企業グループで適用する会計基準の統一や親子間の決算期のずれを解消し、それらと同時に決算業務の早期化を図ることで、事業環境が日々変化する状況において、企業が精度の高い数値を使って、タイムリーに経営管理(PDCA)を回せる環境の実現を支援します。

    • グローバルで統一された業績管理の実現へ向けたIFRS導入支援
    • 経営管理の精度向上およびタイムリーなPDCAの推進へ向けた決算期統一支援
    • 十分な分析業務時間の確保へ向けた決算早期化支援

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